2017.10.30 - Songwriter
Good Lovin' Good Lovin'
Rudy Clark - Songwriter

(1965)

Songwriterシリーズ、今回は Rudy Clark を取り上げます。

Rudy Clark は1935年生まれ。詳細の経歴等は不明。1690年代から1970年代まで、主にソウル・シンガー達に多くの楽曲を作り出した人です。
一時期は Bobby Darlin ともチームを組んで楽曲制作していました。

今回は、1966年までの楽曲を取り上げ、1967年以降は、この頃から共作者となる J. R. Bailey の項であらためて取り上げていきたいと思います。

Rudy Clark は1960年に入ってニューヨークで楽曲作りを開始、Caprice Records というレーベルで、(後に Bob Crewe の作品にも参加することになる)Hatch Davie のオーケストラと一緒に仕事をするようになります。そこで、まず提供したのが、James Ray というソウル・シンガーでした。James Ray には1961年から1964年まで楽曲を提供したのですが、James Ray は残念ながら 1964年に23才の若さで亡くなってしまいます。しかし、James Ray に提供した楽曲は、多くのミュージシャンに愛され、今ではソウル・クラシックとなっています。

まずは James Ray に提供した3曲を聴いてみたいと思います。


If You Gotta Make A Fool Of Somebody(Rudy Clark) / James Ray(1961)

1961年に提供した James Ray に Caprice Records リリースの第1弾シングル。バックは Hatch Davie のオーケストラ演奏によるものです。後に、Maxine Brown、Aretha Franklin、Bobbie Gentry、Jackie DeShannon などが取り上げ、イギリス勢では初期の The Beatles、そして、Freddie & The Dreamers がこの曲でデビューしました。


I've Got My Mind Set On You(Rudy Clark) / James Ray(1963)

1963年にリリース。前作同様、Hatch Davie のオーケストラの演奏です。James Ray というシンガーは屈託のない明るい声をしています。B面収録曲でしたが、1987年には George Harrison がこの曲を取り上げ、広く知られるようになります。その時の仕掛人は ELO の Jeff Lynne でした。


The Old Man and the Mule(Rudy Clark) / James Ray(1963)

1963年の作品で、僕が James Ray に提供した曲で一番気に入っている曲。
Rudy Clark が作り出す楽曲はどれも前向きで明るい曲が多く、それで多くのソウル・シンガー、ミュージシャンに愛されたのだと思います。


Through The Summer(Rudy Clark) / Linda Scott(1962)

Hatch Davie との繋がりだと思いますが、"星"姫、Linda Scott にも数曲提供しています。これは今までとはちょっと異なり、ロマンティックな夏のナンバー。


It's in His Kiss(Rudy Clark) / Merry Clayton(1963)

The Shoop Shoop Song (It's in His Kiss)(Rudy Clark) / Betty Everett(1964)

1963年、Merry Clayton に提供した楽曲。アレンジは Jack Nitzsche でバックボーカルは、The Blossoms が担当しました。
翌年の1964年、 Betty Everett が取り上げ大ヒットとなりました。その後、多くの特に女性ミュージシャン、Aretha Franklin、Cher、Linda Lewis、Ramona King 等々に愛されました。


Our Love(Rudy Clark) / Kenny Gamble(1964)

歌手時代の Kenny Gamble も Rudy Clark の曲を取り上げました。同年、Sylvia Robbins という女性シンガーとの競作となった楽曲。この Kenny Gamble のバージョンは Jerry Ross プロデュース、Jimmy Wisner アレンジです。


Merry Christmas Baby(Rudy Clark) / The Poets(1965)

クリスマスの曲を1曲。1965年、The Main Ingredient の前身グループである The Poets というグループに提供したナンバー。リリース元は、Red Bird Records でプロデュースは Jerry Leiber-Mike Stoller で、アレンジは Artie Butler が担当しました。


Good Lovin'(Rudy Clark-Artie Resnick) / The Olympics(1965-Live)

Good Lovin' (Rudy Clark-Artie Resnick) / Young Rascals(1966-Live)

Rudy Clark が書いた曲で一番耳にする機会が多い曲です。乗りのいい明るいダンス・ナンバー。共作者は Kenny Young とのチームで知られる Artie Resnick 、オリジナルは1965年の The Olympics。その時のプロデュースは Jerry Ragavoy が担当しました。翌年の‎1966年には、Arif Mardin、Tom Dowd のプロデュースにより、The Young Rascals がこの曲を取り上げ、Billboard Hot 100 の1位となりました。
今回はいずれもライブ演奏のものを。The Olympics の映像には Billy Preston がオルガンで参加しています。

(富田英伸)




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