2017.08.12
弥蜜塌菜のしらべ 弥蜜塌菜のしらべ
サザンオールスターズ

夏とサザンとサイダーと (2017)

「サイダー'79」の謎を追え!と題しましてサイダーCMを追っかけます。

サザンオールスターズの三ツ矢サイダーのCMがとても好調です。見ているこっちもシュッシュワーに入れてといいたくなります。何よりましてメンバーが海岸で楽しそうに歌う姿がたまらない。歌詞も無理に青春してなくて、程よい大人のひねりとやや長の言い訳が心地よく響きます。今年はサザンの活動はないのかと思われていた最中に届いたびっくりのど真ん中ポップス。CD等のリリースは未定でありますが、CMは2017夏絶賛放映中です。



三ツ矢サイダーCM「夏とサザンとサイダーと」編 75秒



三ツ矢サイダーは次の告知をしています。

38年の時を経て再び!!
サザンオールスターズが三ツ矢サイダーTVCMに登場
サザンオールスターズがその長いキャリアの中で、初めて出演したTVCMは、三ツ矢サイダーでした。
あれから38年。なんと、「三ツ矢サイダー」オリジナルCMソング「弥蜜塌菜のしらべ」(読み:やみつだーさいのしらべ)と一緒に再び登場!



38年前のサザンの三ツ矢サイダーCMは「青い空の心 (No me! More no!)」でした。これが「サイダー'79」と呼べるものです。

♪あの娘を感じさせてる スキャバドゥバシュパッドドゥワー♪ に始まるこのCMが製作されたのが1979年の夏前。♪勝手な俺の気持ちをサイダー 夢を見るよで♪ と早くも桑田節全開ですが、サザンのデビュー約1年、「いとしのエリー」の発売の少し後でしょうか。CM映像はここで見ることができます。出演はサザン全員と手塚理美で、CM初出演にしてアイドルと共演もとは思えぬお茶目なテレビの申し子ぶり。このCMの断片が今年の「サイダー'17」でも使われています。みんな38年で変わってみえたりするけど、全然変わっていないよ。三ツ矢サイダーありがとうです。


さて、三ツ矢サイダーというと大滝詠一です。大滝詠一は1973年から、'76年の山下達郎とあわせて、5年連続で三ツ矢サイダーを担当します。最初の作品はご存知「サイダー'73」♪あなたがジンと来るときは、私もジンと来るんです♪ でした。続く「'74」の ♪なんだかうまくいきすぎる♪、「'75 」の ♪これからもうすぐ♪ と、出演の風吹ジュンと共に3連作をかっとばします。「'76」には山下達郎が登場し ♪ちょっと光がさしてキラキラ♪ です。キラキラしていたのは秋吉久美子でした。「'77」は大滝詠一に戻って集大成の「一人で二人で三ツ矢サイダー」。この一連のCMはよく転がっていますので、興味のある人は探して見てください。


ところで、大滝詠一に幻の「サイダー'79」があるのをご存知でしょうか?
「サイダー'79(サンシャイン・ガール)」として、『Niagara CM Special』の30周年盤のボーナスで発表されました。私はその時まで存在すら知りませんでした。本作は出演予定のブルック・シールズが来日せず(映画『青い珊瑚礁』の直前ですねえ)企画ごとボツになったとのこと。♪透明ガール♪ のコピーが The Parade の "Sunshine Girl" に当てられていましたが、サウンドは「君は天然色」に繋がるもので、キャッチコピーも含めてしみじみとナイアガラの運命を感じる'79年の夏です。

その「幻の'79」がどういう流れで「サザンの'79」になったのか?
とにかく1979年の夏はサザンが三ツ矢サイダーの「青い空の心」でCMデビューをしたのでした。

同曲には "No me! More no!" という不思議なサブタイトルが付いていますね。実は「サイダー'17」で ♪サイダーなんて もーの まない♪ なんてしっかりセルフアンサーになっているように感じます。'17CMの最後に "See you in 2018" と入ります。これは言うまでもなくサザンからファンへのメッセージでしょう。


というわけで、三ツ矢サイダーのCMを '73 - '77、'79 と見てきました。「'80」は引き続きサザンの「いなせなロコモーション」でしたが、これは書き下ろしCMソングではなくタイアップだったのでしょう。なお「'78」がサザンの「勝手にシンドバッド」であるというような記載がネットで散見されます。「勝手に」はサザンのデビュー曲で確かに1978年作なのですが、どうやら1980年に「いなせな」の余勢を買って追加で製作されたようです。


では三ツ矢サイダー「'78」は誰の曲だったのか?
もうキリがないのでここでの真相追及はやめますが、ビートルズだったのではないでしょうか。正確にはビートルズのそっくりコピーで "Love Me Do" が使われていたのを覚えています。ドレミファコップを叩いてるみたいな映像と共に… さらにサイダーは'83年にもう一度大滝詠一に帰って来るのですが、サザンと大滝の間を埋める「'81」「'82」は加山雄三であったようです。ビートルズと加山雄三のサイダーについてはもう少し調査をしてみたいと思います。アサヒ飲料に聞きにいかんとわからんかなぁ。。

暫定のサイダーリスト 1973-1883 です

サイダー'73 / 大滝詠一 *1
サイダー'74 / 大滝詠一 *1
サイダー'75 / 大滝詠一 *1
サイダー'76 / 山下達郎 *2
サイダー'77 / 大滝詠一 *1
サイダー'78 Love Me Do / Beatlesのコピー *3
サイダー'79 青い空の心 (No me! More no!) / SAS *4
サイダー'80 いなせなロコモーション / SAS *5
サイダー'81 / 加山雄三(調査中)
サイダー'82 / 加山雄三(調査中)
サイダー'83 / 大滝詠一 *6


*1 大滝詠一『ナイアガラCMスペシャル』等に収録
*2 山下達郎『CM全集』(ファンクラブ通販CD)にのみ収録
*3 他に "Please, Please Me" "PS I Love You" があったとも
*4 サザンオールスターズ シングル「恋するマンスリー・デイ」B面 (1980)
*5 サザンオールスターズ シングル (1980)
*6 大滝詠一『Best Always』等に収録
(たかはしかつみ)




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