2017.03.29 - Songwriter
Rock and Roll Heaven Rock and Roll Heaven
Alan O'Day [Songwriter]

(1973)

(2017年3月26日SSB「棚からひとつかみ」で、The Fifth Demension の "Flash Back" がかかりましたので。)

Songwriterシリーズ、今回は Alan O'Day を取り上げます。

Alan O'Day は日本国内では、山下達郎さんの英語詩を担当したことで知られていますが、1977年にリリースした "Undercover Angel" が Billboard Hot 100 の1位となったシンガーソングライターです。
今回はソングライターの側面から、Alan O'Day の1970年代の作品を中心に聴いていきたいと思います。

Alan O'Day は1940年カルフォルニア生まれ。2013年に他界。1960年初頭かからハイスクールの友人とバンドを組み、音楽の世界に入ったようです。1965年には Alan & Bob & Denny というグループを組み、Ed Sullivan Show などにも出演していたそうです。

1970年に入るとソングライターとして活動することになります。Alan O'Day のクレジットが見つかるのは、1970年にABC/Dunhill Records からリリースされた Three Dog Night のアルバム『Naturally』に収録された "Heavy Church" という曲。後に1973年、Alan O'Day 自身もこの曲でソロシングルをリリースしています。

その後、Bobby Sherman、Mark Lindsay などに楽曲提供することになり、1972年に The New Birth に提供した "Easy Evil" が Sarah Vaughan、 Nancy Wilson、Dusty Springfield、Dawn、Sugarloaf、Peggy Lee、Larry Carlton らが取り上げ、ソングライター Alan O'Day の名が知られるようになります。
1974年、Helen Reddy に提供した "Angie Baby" が U.S. Billboard Hot 100 の1位を記録。1973年、Climax に提供した "Rock and Roll Heaven" を翌年の1974年、The Righteous Brothers が取り上げ、U.S. Billboard Hot 100 の3位を記録、Alan O'Day はヒットメーカーとなります。

1973年に初ソロアルバム『Caress Me Pretty Music 』をリリース。1977年にPacific Records からアルバム『Appetizers』をリリース。そこからシングルカットされた "Undercover Angel" が Billboard Hot 100 の1位となりました。

一部ですが、Alan O'Day が遺した楽曲を聴いていきたいと思います。


Heavy Church (Alan O'Day) / Three Dog Night (1970)

Heavy Church (Alan O'Day) / Alan O'Day (1973)

前述通り、1970年に Three Dog Night に提供した1曲。プロデュースは Richard Podolor。Dunhill Records とは相性良かったようで、Lambert-Potter チームも Alan O'Day の楽曲を取り上げるようになります。この "Heavy Church" は後に Alan O'Day もセルフカバーしていますのでそれと一緒に。


Easy Evil (Alan O'Day) / Larry Carlton (1973)

American Family (Alan O'Day) / Larry Carlton (1973)

"Mr.335" こと ギターリスト Larry Carlton が1973年リリースしたアルバム『Singing / Playing』には Alan O'Day の楽曲が2曲含まれています。 "Easy Evil" は前述の通りで、"American Family" は Bobby Sherman がオリジナルです。しかし2曲とも、このジェントルなボーカルの Larry Carlton のバージョンが気に入っています。
このアルバム、当時所属していた The Crusaders のメンバーに加え、後に Alan O'Day と関係が深くなる Michael Omartian がサウンド面でサポートしたことが大きかったと思います。


Angie Baby (Alan O'Day) / Helen Reddy (1974)

1974年、Helen Reddy のアルバム『Free And Easy』からカットされたヒットナンバー。プロデュースは Joe Wissert でアレンジは Nick DeCaro が担当しました。憂いある良い曲です。


Rock and Roll Heaven (Johnny Stevenson-Alan O'Day) / Climax (1973)

Rock And Roll Heaven (Johnny Stevenson-Alan O'Day) / Righteous Brothers (1974)

1974年の Righteous Brothers によるロック偉人の名前が登場するロックン・ロール賛歌。Righteous Brothers バージョンは Lambert-Potter チームがプロデュースを担当し、Michael Omartian がアレンジを務めました。オリジナルの Climax バージョン、ちょっと軽めですが決して悪くありません。併せて一緒に。


Undercover Angel (Alan O'Day) / Alan O'Day (1977)

1977年、Alan O'Day 自身による大ヒットナンバー。アルバム『Appetizers』にはこれまで書いてきた、"Angie Baby"、"Do Me Wrong, But Do Me"、"Gifts" などをセルフカバーしています。プロデュースは Steve Barri と Michael Omartian 。
僕はこの曲で初めて Alan O'Day のことを知りました。後に山下達郎さんの"Your Eyes" (1982) のクレジットでAlan O'Day の名前を見つけた時、ちょっとびっくり、うれしかったです。


ショート・ストップ・エンジェル〜高橋慶彦のテーマ(Alan O'Day-小暮陽) / 深水無門 (1979)

最後におまけを。
"Undercover Angel" は日本でもヒットし、この曲は広島東洋カープの橋慶彦選手の応援歌となります。ちょっと笑っちゃいますね。
SSBでは2013年4月21日SSB『珍盤・奇盤特集』で登場しました。

(富田英伸)




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