2017.03.14
Sunshine Sunshine
Enchantment

Enchantment (1976)

モーターシティー、デトロイト。ノーザンソウルの一大拠点としてシカゴやフィラデルフィアと共に一時代を築いた街。Motownを中心に60〜70年代にかけて数多くのスターとヒット曲を生み出してきました。
デトロイトにはMotown Recordsを中心に優れた作曲家やアレンジャー、制作スタッフがたくさんいて、そんなスタッフのもとMotown以外のレコード会社からも良質の作品が数多く生み出されてきました。

しかし、自動車産業の衰退とともに街は活気を失い、Motownもロサンゼルスへと拠点を移してしまいます。先の大統領選挙の際、街に賑わいを取り戻そうとする人たちの姿をテレビで観ましたが、文化の発信拠点として再びデトロイトが輝いたらいいなと思います。

そんなデトロイト出身の5人組のヴォーカル・グループEnchantment。このデビュー・アルバムがリリースされたのは1976年。Roadshowというマイナー・レーベルからデビューしたのは、既にMotownがデトロイトを去っていたからかもしれません。

プロデューサーは後にPatti LaBelle やHerb Alpert 、Smokey Robinsonなど多方面で手腕を発揮したMichael Stokes。曲も書いており彼の初期の仕事として知られています。アレンジは、The Dramatics 、Isaac Hayesなどを手掛けていたJohnny Allen。

Emanuel "E.J." Johnsonのハイトーンのテナーヴォイスを中心に十分に練れたコーラスはとりわけバラードでその美しさが際立っています。同郷のThe Temptationsや同時期のフィラデルフィア・ソウルにも通じる「Gloria」や「Sunshine」が秀逸です。

Enchantmentはマイナー・レーベルで配給力がなかったためか、よく比較されるThe Dramaticsなどに比べて、日本ではあまり知られた存在ではありませんが、実力派のヴォーカル・グループとして聴きどころの多い曲をたくさん持っています。
カエルのジャケットは、イマイチよく分かりませんが(笑)、知る人ぞ知る隠れた名盤のアイコンになっています。


今日の1曲


(Kazumasa Wakimoto)




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