2017.01.22
いつか何処かで (I FEEL THE ECHO) いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)
桑田佳祐

Single (1988)

突如桑田さんのこの曲がやってきて、頭から離れなくなりました。「いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)」。1988年発表の桑田佳祐ソロシングル、個人的には流行りものを7インチシングルで買っていた最後のころでした。達郎さんの「Get Back in Love」とほぼ同時期のことです。

「いつか何処かで」はサザン・オール・スターズが『KAMAKURA』(1985)リリース後、原坊の産休で各人がソロ活動をしていた時期の作品でした。桑田本人としては KUWATA BAND の後に小林武史をさそって行った活動です(その後アルバム『Keisuke Kuwata』を発表)。

いつか何処かで (I FEEL THE ECHO) / 桑田佳祐 (1988) 曲情報(公式)

この曲は半音とメジャーセブンスの嵐なんです。
順を追ってみてみます。

Aメロ
「今もわすれーないー」
ここらあたりはまだいいのですが
「通り過ぎてく、ひとに焦がれて、Oh, Baby's gone any way」
ここで maj7 が4つも出てきます。(歌うと少し難しいところです)

Bメロは力強くサザンっぽいです。
「All day long, long time to spend 泣くような Rainy day」
コード進行もわりと普通です。

ここでやばいサビがやってきます
「今で も逢いた い気持ち でいっぱ いー」
主和音で5度が半音づつ上がって行くのですが、めちゃくちゃ切ない感じにさせられます。
このやばい感じはとても不安定な感じでオアヅケくらいます
「そんな惨めな恋などしたくない」
いわゆるもだえるドミナントの7th止め。
いじわるな桑田さんは、これをもう一度繰り返します。
「涙 も渇い て痛み に変わる よー」
またも半音上昇。
「そんな乱れた思いは誰のため」
これをこらえてこらえると
「I FEEL THE ECHO」
大団円。
たどりつく爽快感。ようやく解決してくれました。

この曲まだあって、最後のサビの前においしいつなぎメロが入ってます
「砂にまみれた日のメモリー 君よ愛しい My Love」
これは少し変なコード進行に、ニンマリできる回想詞を組み合わせている。

それでは最後にもう一度もだえましょう。
「そんな乱れた思いは Woo, Babe. I FEEL THE ECHO!」


「いつか何処かで」を聴いていると、こちらも<切なさ、もだえ、解決>の3点セット大名曲「真夏の果実」(1990) が聴こえてきました。こちらも機会があれば。


(たかはしかつみ)




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