2017.01.13 - Songwriter
A Lonely New Year A Lonely New Year
Larry Weiss

(1964)

(2017年1月1日SSB『新年で棚からひとつかみ』で、Barbara Chandler の "A Lonely New Year" がかかりました。また2016年10月16日『棚からひとつかみ+リクエスト』では Newby & Johnson の "Want To Give My Everything" がかかりました。)

Songwriter シリーズ
今回は Larry Weiss をもう一度取り上げたいと思います。


Larry Weiss はこのSongwriterシリーズの第1回目として取り上げましたが、今回は1960年代に限っていくつかの曲を紹介していきます。

シングルレコード・クレジットに Larry Weiss が見つかるのは1950年代末頃。テキサス出身のプロデューサー、ソングライターの Lockie Edwards Jr. とチームを組むことが多く、ニューヨークで製作されたアイドル・シンガー、ガールグループ、ソウルシンガーなど多様な楽曲を提供しています。後にソロアルバムもリリースしますが、出発点はソングライターだったようです。

時代を追って、Larry Weiss が書いた楽曲を聴いていきたいと思います。いずれもくっきりした明るいメロディラインで心地よい曲ばかりです。


When You Came Along (Laurence Weiss) / Tobin Matthews (1963)

1963年、本名の Laurence Weiss 名義で書いた単独クレジット曲。溌剌とした晴れやかな曲です。プロデュースは Al Kasha が当たっており、アレンジはAlan Lorber が担当しています。王道のアイドルポップスです。


Teenage Mona Lisa (Larry Weiss-Lockie Edwards Jr.) / Adam Wade (1963)

Gary Knight-Gene Allan の項でも登場した俳優、ドラマーである Adam Wade に提供した1曲。こちらもプロデュースは Al Kasha。この曲も素敵ないいメロディラインです。ちなみにこの曲のA面は B.Mann-C.Weil が書いた "Why Do We Have To Wait So Long" という曲です。


A Lonely New Year (Larry Weiss-Fred Anisfield) / Barbara Chandler (1964)

1963年に "It Hurts To Be Sixteen" を歌ったガールシンガー、 Barbara Chandler への提供曲。これもアレンジは Alan Lorber が担当しています。プロデュースは Ruby And The Romantics などを手掛けた Kapp Records の専属プロデューサー Allen Stanton。


Cindy Go Home (Laurence Weiss) / Paul Anka (1964)

1964年、絶大な人気のあった Paul Anka に提供した1曲。これも Laurence Weiss 名義の単独クレジット作品です。Sid Bass And His Orchestra によるバック演奏もロマンチックでいいですね。


(In The) Cold Light of Day (Laurence Weiss-Scott English) / Gene Pitney (1966)

1966年、Gene Pitney に提供した1曲。アレンジは Artie Butler が担当しています。詩は Barry Manilow の1974年ヒット曲 "Mandy"(邦題「哀しみのマンディ」)の元になった "Brandy" を1971年にヒットさせた Scott English です。


Ciao Baby (Larry Weiss-Scott English) / The Montanas (1967)

この"Ciao Baby" という曲はオーストラリアではガールシンガーの Lynne Randell が歌った曲で、アメリカ本国ではガールグループの The Toys も取り上げました。イギリスでは、The Montanas が1967年に取り上げました。プロデュースは Tony Hatch。さすがいい曲をセレクトしていますね。


Lilacs And Violets (Fred Anisfield-Larry Weiss) / Lesley Gore (1967)

1967年、Lesley Gore のアルバム『California Nights』に収録された曲。このアルバムは Quincy Jones と Bob Crewe がプロデュースを分け合って担当していますが、これは Quincy Jones が担当しています。


Walking In Different Circles (Larry Weiss-Scott English) / Ronnie Dio & The Prophets (1967)

Walking In Different Circles (Larry Weiss-Scott English) / The Elves (1969)

1967年に Ronnie Dio & The Prophets というグループに提供した1曲。リードシンガーの Ronnie Dio とは後に、ハードロックバンド Rainbow (Ritchie Blackmore)、ヘビメタバンド Black Sabbath などを渡り歩くことになる Ronnie James Dio のことです。1969年には、この曲をよっぽど気に入っていたのか、後に Elf と名を変える Rainbow の母体となったグループ、The Elves でも再度この曲を取り上げています。アレンジは Claus Ogerman。"メタル界のゴッドファーザー"も昔は Larry Weiss が作った良質なポップスが好きだったようです。


Keep It Coming (George Devens-Larry Weiss) / Leola Jiles (1967)

1967年、ガールグループ The Apollas に所属していた Leola Jiles というレディ・シンガーに提供した1曲。Larry Weiss 得意の大サビから入るメロディで冒頭から胸をぐっと締め付けられます。バックボーカルは The Blossoms が担当。プロデュースは Dick Glasser、アレンジは Gene Page と西海岸での製作です。


More Than The Eye Can See (Bob Crewe-Larry Weiss) / Al Martino (1968)

More Than The Eye Can See (Bob Crewe-Larry Weiss) / Bob Crewe (1969)

1968年に Al Martino が取り上げた曲。Bob Crewe との共作曲です。高揚感あるメロディで、聴いてわかる通り、"Can't Take My Eyes Off You" を彷彿させる曲です。Bob Crewe 自身もこの曲を1969年にリリースしているようです。


(富田英伸)

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