2016.12.24 - Live
さとがえるコンサート2016 さとがえるコンサート2016
矢野顕子 + TIN PAN

(2016)

矢野顕子さんのコンサートを観てきました。自分にとってのアッコちゃんは「自然に振る舞う」ことの先生で、ときどきコンサートにうかがうと、心がすーっと自由になって、何でもできる、楽しくできる気になるのです。

今年のさとがえるコンサートは3年連続となる TIN PAN(細野晴臣、鈴木茂、林立夫)との共演で、この日はゲストにくるりの岸田繁が出演しました(2016/12/18 NHKホール)。

ステージはアッコちゃんのピアノソロ弾き語りの2曲で始まり、TIN PAN を招き入れて2曲メドレーをし、そこから各人の持ち歌をじっくり歌っていく構成。

今年はアッコちゃんデビュー40周年という触れ込みでしたが、細野晴臣フロントの2曲は同じ1976年に発表された『泰安洋行』からのもの。序盤に歌われた「香港 Blues」とアンコールの「Roochoo Gumbo」です。矢野顕子を含む、ティン・パン・アレー・リズムの一番いいときの記憶が甦ります。

鈴木茂フロントの曲は『Lagoon』や『Band Wagon』の曲もよかったのですが(とても)、どうしてもはっぴいえんどの2曲に耳を持っていかれてしまいました。その2曲というのが「12月の雨の日」と「抱きしめたい」。どちらも大滝詠一曲だったのです。もう椅子からころげる程びっくり(後者は昨年から演っていたのも知らず)。その完成度は、鈴木茂のヴォーカルも含めはっぴいえんど2016と言って差し支えないものだったと思います。細野さんが大滝さんをさそってやりたかったことがそこにあったと思うし、一方矢野顕子も含めた4ピースバンドがそこにはいました。

4ピースバンド感はさらにアッコちゃんの曲でも確信します。小坂忠の「ほうろう」での細野晴臣とのツインヴォーカル、「ごはんができたよ」での林立夫に引っ張られるグルーヴ。矢野顕子を含めたこの4リズムは40年前からやっているのですが、改めてよいバンドであると。


ステージは2部構成で、後半の頭はブルースのカバー2曲(「Rich Woman」「Havana Moon」)で、それに引き続いてゲストの岸田繁が招き入れられました。岸田は矢野との名曲「Presto」を歌い、さらに持ち歌2曲を披露しました。「くるりはいい曲だらけ」とは矢野談ですが、岸田の3曲はコンサートのハイライトの一つでした。

アッコちゃんは新曲も2曲。「行け柳田」のアンサー?である「野球が好きだ」、および糸井重里作の有名曲の続編「Super Folk Song Returned」を持ってきてくれました。新曲うれしい。

ステージ終盤にこんなことも。アッコちゃんやらかしてまして、「ほうろう」が終わると舞台監督が慌てて何やら耳打ちを。鈴木茂の「抱きしめたい」をすっかりわすれちゃいました。すぐ巻き戻すアッコちゃん。よくついてきたのは平然と合わせたバンド。手違いも音楽の一部かな自然な振る舞い。本日のテーマは「自由な心」でありました。

さとがえるコンサート2015のトレーラー映像です

矢野顕子+TIN PAN「さとがえるコンサート2016」
2016年12月18日 NHKホール セットリスト

01. ひとつだけ
02. 電話線
03. 丘を越えて
04. 暗闇坂むささび変化
05. TOKYO・ハーバー・ライン
06. 香港Blues
07. 12月の雨の日
08. 野球が好きだ
09. 100ワットの恋人
10. Rich Woman
11. Havana Moon
12. Presto
13. Remember me
14. 東京
15. ほうろう
16. 抱きしめたい
17. Super Folk Song Returned
18. ごはんができたよ
<アンコール>
19. RooChoo Gumbo
20. Blue Moon
21. ろっか・ばい・まい・べいびい
音楽ナタリーを参考にさせていただきました

(たかはしかつみ)




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