2016.12.23 - Songwriter
Gotta Find A Way Gotta Find A Way
Ray Dahrouge [Songwriter]

(1973)

2016年12月11日SSB『年忘れリクエスト大会』で、The Moments の "Just Because He Wants To Make Love" がかかりました。Ray Dahrouge の特集を一足早くここで。)

Songwriterシリーズ、今回はニュージャージーを中心に活動してきた Ray Dahrouge を取り上げます。

Ray Dahrouge は日本では殆ど知られていませんが、1970年代に主にスィート・ソウル、ディスコ等の楽曲を書いてきた人です。
Ray Dahrouge の音楽の出発点は1960年代前期にニュージャージー州アスバリーパークで結成された Ray & The Darchaes という White Doo Wop グループでした。Ray Dahrouge はそのグループでリードシンガーを務め、グループに楽曲を書くようになります。地元のレーベルから数枚のシングルをリリースしています。
1960年代中期にはソングライターとして活動を始め、1960年代後期には Billy Terrell というソングライターと組んで活動するようになります。特にニュージャージー中心に活動していたソングライター、プロデューサーの George Kerr との関係が深く、George Kerr のプロデュース作品に Ray Dahrouge-Billy Terrell チームのクレジットが見つかるようになります。
George Kerr が Sylvia Robinson が主宰する All Platinum Records で活動するようになると、Ray Dahrouge も All Platinum Records のミュージシャン達に楽曲提供するようになります。
1970年代中期、ディスコの時代になると、Ray Dahrouge はグループ、The Street People を手掛け、ディスコ・シーンで人気を博します。
1979年には自身のソロアルバム『Rendezvous With Destiny』をリリース。その後は Engelbert Humperdinck、The Moments 出身の Harry Ray、The Manhattans などに楽曲提供するようになります。

例によって一部ですが、Ray Dahrouge が書いてきた楽曲を聴いてみたいと思います。


Darling Forever (Ray Dahrouge) / Ray and The Darchaes (1962)

Ray Dahrouge の音楽の出発点になったWhite Doo Wop グループ、Ray and The Darchaes の音源。Ray Dahrouge のペンによる曲で、リードも Ray Dahrouge が歌っていると思われます。


Never Gonna Let Him Know (Ray Dahrouge-Billy Terrell) / Debbie Taylor (1969)

1969年リリース、George Kerr プロデュース作品のレディ・ソウル。Billy Terrell との共作曲です。Debbie Taylor は 後に Maydie Myles の名前でジャズシンガーとしても活動することになります。


I'm Slowly Losin' My Mind (Ray Dahrouge-Billy Terrell) / Fredde Lowe (1972)

We Ain't As Tight As We Used To Be (Ray Dahrouge-Billy Terrell) / Fredde Lowe (1972)

1972年リリースされたレディ・ソウルもの。アレンジが Richie Rome なので、フィラデルフィア録音かもしれません。両曲ともしっとりとしたいい曲です。


Gotta Find A Way (Ray Dahrouge-Billy Terrell) / Moments (1973)

1973年、All Platinum Record 傘下の Stang Records からリリースされた Moments 提供の人気曲。冒頭と間奏の空港でのアナウンスのSEがとても効果的なスィートな1曲です。


Poppa's Side Of The Bed (Ray Dahrouge) / The Angels (1974)

Ray Dahrouge は1963年のヒット曲 "My Boyfriend's Back" を持つ、3人組ガールグループ、The Angels に1974年に楽曲提供しています。レディソウルものですっかり大人の雰囲気の The Angels です。アレンジを担当したのは Charlie Calello。


Never Get Enough Of Your Love (Ray Dahrouge) / Street People (1975)

うって変わってダンスナンバー。1975年、Ray Dahrouge が全面プロデュースした Street People の作品。アレンジは Bert Decoteaux が当たっており、ニューヨーク録音です。1977年には L.T.D がこの曲を取り上げヒットさせています。


Wanna Slow Dance With You Baby (Ray Dahrouge) / Street People (1976)

もう1曲、Street People を。今度はミディアムバラード曲を。Ray Dahrouge はダンスナンバーもミディアム調もいいですね。アレンジは Charlie Calello が担当しています。ストリングスも素晴らしいです。


Lifetime Guarantee Of Love (Ray Dahrouge) / Charles Drain (1975)

Lifetime Guarantee Of Love (Ray Dahrouge) / Ray Dahrouge (1977)

1975年にリリースされたダンスナンバー。心地よい曲です。Ray Dahrouge 自身も気に入っていたのか、1977年にセルフカバーしていますのでそれも合わせて。セルフ・カバーバージョンはTerry Cashman-Tommy West のプロデュースで、David Spinozza がプロデュースとアレンジを担当しています。


So In Love With You (Ray Dahrouge) / Harry Ray (1982)

1982年に The Moments 出身の Harry Ray に提供した王道のバラード曲。プロデュースは Sylvia Robinson。Sugar Hill Records からリリースされています。


Christmas On The Jersey Shore (Ray Dahrouge) / Ray And The Darchaes (2011)

2000年代に入って Ray Dahrouge はかつて自分が所属していたグループ、Ray And The Darchaes を再結成したようです。
クリスマス・ナンバーを最後に。コンテンポラリーな素敵な曲です。
Ray Dahrouge さん、今でも精力的に音楽活動を続けているようです。


*今回の YouTube の音源の多くは Ray Dahrouge さんご自身がアップされています。

(富田英伸)




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