2016.11.09
Afterglow Of Your Love Afterglow Of Your Love
Small Faces

Ogdens' Nut Gone Flake (1968)

秋といえばブリテッシュ。Small Faces について書いてみたいと思います。

Small Faces は主に1965年から1969年に活躍したバンドです。モッズだなんだといわれますが、わたしは当時の状況が実感として描けないので至極まっとうなリズム・アンド・ブルース・バンドとして認識しています。曲の良さをとっても、演奏の上手さをとっても、The Who や Kinks と並んで4大バンドと同格に扱われるべき彼ら。しかしなぜだか扱いがさほどよくない気がしています。

それというのもこのバンドは、アルバム作りが得意でなかったり(一念発起しトータル・アルバム "Ogdens" を作るも解散)、レーベルが混乱していて(せっかく Decca を出て IMMEDIATE に移籍するも倒産)、その結果再発カタログが安定して維持されず、おまけに似たような編集盤が色々ある割にはオールタイムベスト盤が出しにくいなどのややこしい状況でずっと損をしているなあ。

代表的なメンバーはこの4人でした。

Steve Marriott (Vo/Gt)
Ronnie Lane (Bs)
Kenney Jones (Dr)
Ian McLagan (Key)

Small Faces は4年ほどしか続きませんでした。Steve Marriott が Peter Frampton と一緒に Humble Pie を始めてしまったからとされます。しかし、残ったメンバーは Jeff Beck Group の Rod Stewart と Ronnie Wood をさそって Faces を結成して大成功をおさめています。ちなみに Faces 後も、Ronnie Lane は自分のバンド Slim Chance でヒットを記録、Kenny Jones は亡くなった Keith Moon の後がまとして The Who のメンバーに、Ian McLagan も Stones の準メンバー的な存在と、Steve の Humble Pie も含め全員がとても魅力的な活動をしています。しかししかし、返す返すも残念なのは、中心だった Steve Marriott と Ronnie Lane が早死にしてしまったこと。Marriott は寝タバコの火災で(享年44)、Lane は難病で(享年51)ともに1990年代に亡くなってしまったのでした。

今日の1曲は、Small Faces 最終シングルとされる(会社側の勝っ手カットかもしれないが)"Afterglow of your Love"。Ronnie Lane のフォーキーなところと、Steve Marriott のハードさが渾然となった最高の仕上がり。これ元々バラードだと思うのですが、パワーでゴリゴリ押してきます。

今日の1曲

Small Faces はロンドン・イーストエンドの雄とされます。イーストエンドというのはロンドンの東(のはずれ)。ロンドンの東端は観光客的にはタワーブリッジとロンドン塔でその東にはあまり行きませんでした。彼らの生まれはその東。東京でいうと隅田川の東側という感じなのかなあ。イーストエンドには2012年オリンピックスタジアムができ、墨田の東にはスカイツリーができました。やつらが生きていたら、ロンドンオリンピックのオープニングはポール先生でなかったかもしれませんよ。

(たかはしかつみ)




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