2016.10.06 - Songwriter
Will You Be Staying After Sunday Will You Be Staying After Sunday
Al Kasha [Songwriter]

(1968)

(2016年10月2日SSB『"日曜日"で棚からひとつかみ 』で、Peppermint Rainbow "Will You Be Staying After Sunday" がかかったので、)

Songwriterシリーズ、今回は主に1960年代から1970年代に活躍したソングライター、Al Kasha を取り上げたいと思います。

Al Kasha こと Alfred Kasha は1937年ブルックリン生まれ。多くのミュージシャンがそうだったようにシンガーから出発し、1960年に自作の楽曲で数枚シングルをリリースします。1960年には同時にソングライターとして活動を開始、当時人気をあった Jackie Wilson に楽曲を提供していくようになります。その多くの楽曲はアレンジャーで知られる Horace Ott との共作が目立ちます。

1961年には Aretha Franklin の最初期の作品にあたる "Operation Heartbreak" という楽曲を数名の作家と共作。その他、Aretha Franklin の妹、Erma Franklin、Bobby Darin 等に楽曲を提供しています。同時に Columbia Records でプロデューサーとしても活躍、後のソングライターとして知られる Neil Diamond を見出しています。また1960年初期には Bob Crewe 周辺の作家陣とも交流もあったようです。

1960年中期にその後のチームを組むことになる、Joel Hirschhorn と出会っており、Jay And The Americans、Ronnie Dove、Brian Hyland などに楽曲提供していきます。

1972年に映画プロデューサー、アーウィン・アレン (Irwin Allen) が製作したパニック映画『ポセイドン・アドベンチャー』に挿入歌、"The Morning After" を書き、Maureen McGovern が歌い、アカデミー歌曲賞を受賞しました。アーウィン・アレンは続いて1975年に映画『タワーリング・インフェルノ』を製作、これもまた Maureen McGovern が "We May Never Love Like This Again" を歌い映画にも出演しました。この曲も続いてアカデミー歌曲賞を受賞しました。

以降、例によって一部ですが、ソングライター Al Kasha の楽曲を聴いてみたいと思います。


No Matter Where You Are (Al Kasha-Thomas Battista) / Al Kasha (1960)

1960年、Brunswick Records からリリースした自作の楽曲。聴いてわかる通り、Al Kasha は美声だったようです。数枚のシングルをリリースしています。


Room of Memories (Al Kasha-Horace Ott) / Andrea Carroll (1961)

Why Should We Take The Easy Way Out (A.Kasha-J. Hirschhorn) / Andrea Carroll (1966)

"It Hurts To Be Sixteen" を歌ったことで知られる Andrea Carroll に提供した楽曲。1曲目は1961年リリースしたデビュー・シングルだと思います。共作者はアレンジャーで知られる Horace Ott。
その5年後の1966年に Andrea Carroll に再度、楽曲を提供します。共作者はチームを組むことになる Joel Hirschhorn。Andrea Carroll の声は可愛いですね。


Good Boy Gone Bad (Al Kasha-Victor Thomas) / Carole Quinn (1964)

1964年に Carole Quinn という女性歌手に提供した曲。Al Kasha がプロデュースを行っています。アレンジは Charles Callelo が担当。落ち着いたいい曲です。


Gegetta (Al Kasha- George David Weiss) / James Darren (1963)

映画『ギジェット』シリーズの1963年公開の『Gidget Goes to Rome 』の挿入歌を俳優でもあった James Darren が歌っています。Al Kasha と George David Weiss のと共作です。アレンジとプロデュースは Stu Phillips が担当しています。


Who Killed Teddy Bear (Al Kasha-Bob Gaudio) / Mikki Young aka Claire Francis (1965)

もう1曲、映画から。1965年公開のミステリー映画『Who Killed Teddy Bear』のタイトルバックから表題曲を。Four Seasons の Bob Gaudio との共作曲です。映画の劇判はこの曲のアレンジを担当した Charles Callelo が全面的に担当しています。


Will You Be Staying After Sunday (A.Kasha-J. Hirschhorn) / Peppermint Rainbow (1968)

Don't Wake Me Up In The Morning, Michael (A.Kasha) / Peppermint Rainbow (1969)

バルチモアで結成された女性2人、男性3人のバブルガムポップス寄りのグループ、The Peppermint Rainbow に提供した楽曲を2曲。プロデュースを担当したのは自身のグループ、Steam や The Lemon Pipers を手掛けることになる、Paul Leka。後者の曲は Al Kasha の単独クレジットです。


The Morning After (A.Kasha-J. Hirschhorn) / Maureen McGovern (1972)

We May Never Love Like This Again (A.Kasha-J. Hirschhorn) / Maureen McGovern (1975)

アーウィン・アレン製作の映画からの挿入歌の2曲を。
両作品共、劇判の方は John Williams が手掛けました。アーウィン・アレンと 映画作曲家、John Williams とは以前から関係深く、アーウィン・アレン製作のテレビシリーズ、『宇宙家族ロビンソン』、『タイムトンネル』(James Darren 主演)、『巨人の惑星』などを手掛けていました。今、考えると、『未知との遭遇』、『スターウォーズ』への音楽の道筋をつけたのはこのアーウィン・アレン製作の2つのパニック映画だった気がします。
Maureen McGovern についてはここを参照ください。


Sleeping Between Two People (A.Kasha-J. Hirschhorn) / Vikki Carr (1974)

最後に1974年、MOR歌手 Vikki Carr に提供したアルバム『One Hell Of A Woman 』に収録されていた楽曲。2人の持ち味が出た優しい曲です。プロデュースは Jack Gold。

(富田英伸)




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