2016.09.28
Didn't I (Blow Your Mind This Time) Didn't I (Blow Your Mind This Time)
The Delfonics

The Delfonics (1970)

その日一日その歌が頭をぐるぐると駆け回って、気が付くと小さく口ずさんでいるようなことってないですか?
それが今日でした(笑)。口を突いて出たのはThe Delfonicsの「Didn’t I(Blow Your Mind This Time)」。
“でぃどぅん あい ぶろ よ まいん でぃす たいむ でぃどぅん あい〜♪” あとはしらん(笑)。一度このフレーズが頭の中を回り始めると一日中William Hartになり切ってしまうわけです。

曲を書いたのはThom Bell-William Hartのコンビで、全米チャート10位まで駆け上がったフィリー・ソウルを代表するヒット曲です。
印象的なフリューゲルホーンに続いて左チャンネルからシタール、右からからはビブラフォンのオブリガード。そしておもむろにWilliam Hartの抑制のきいたヴォーカルが聞こえてきます。

アレンジを手掛けるのはもちろんThom Bell。彼のアレンジには独自の美学が貫かれていています。ドラマティックでストーリー性のある展開は演劇的とでもいうのでしょうか。立体的でロマンティシズムに溢れています。とりわけイントロの凝ったアレンジで聴き手を一気に引き込む卓越した腕。この曲が収められているアルバムでも例えばBarry Mannが作曲した「When You Get Right Down It」のホーンの使い方や、「Trying To Make A Fool Of Me」のロマンティックなオーケストレーションなど、いたるところにその才能が溢れだしています。

そしてバックの演奏に溶け込むような官能的なファルセット。聴いているだけで切なくなってきてしまいます。個人的にはフィリー・ソウルの中では文句なくThe Delfonicsが一番好きですね。

金木犀の香りが漂ってくるこの季節になるとスウィート・ソウルを聴きたくなります。朝から頭の中で鳴っていた「Didn’t I」。夜になってレコードで聴いてやっとすっきりしました。秋の夜長のスウィート・ソウルはいかがですか?



今日の1曲


(Kazumasa Wakimoto)




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