2016.09.20 - Songwriter
All I Have To Do Is Dream All I Have To Do Is Dream
Boudleaux and Felice Bryant [Songwriter]

(1958)

Songwriterシリーズ、今回は Bryant 夫妻として知られる、Boudleaux and Felice Bryant を取り上げます。

Boudleaux Bryant は1920年ジョージア州シェルマン生まれ。子どもの頃はバイオリンに親しんでいたそうです。Felice Bryant こと Matilda Genevieve Scaduto はイタリア系移民の一家として、1925年にウィスコンシン州ミルウォーキーで生まれています。

Felice こと Matilda が19才の時、地元のホテルでエレベーターガールとして働いていた時のこと。Boudleaux Bryant が参加していたカントリーバンドがそのホテルに滞在した時、2人は出会ったそうです。なんでも Matilda さんから Boudleaux Bryant に声をかけ、2人は駆け落ちするように結婚。このことは後に2人が書いた曲、"All I Have To Do Is Dream" の詩に表現されたようです。

結婚して2人は楽曲制作を始めますが、当初はあまりうまくいかず、トレーラーハウスに寝泊りしながら曲作りをしていたそうです。1949年、ノベルティ・カントリーソングを歌っていた Little Jimmy Dickens に提供した"Country Boy" が US Billboard Country の7位を記録。Boudleaux and Felice Bryant が書いた曲が少しずつ世の中に知られていきます。
その多くがカントリー・ミュージックですが、今回はカントリー以外の作品を少し触れ、聴いてみたいと思います。


Only A Pastime (Boudleaux Bryant) / Darrell Glenn (1953)

1953年に Darrell Glenn に Boudleaux Bryant が提供した曲。ジャズ風の落ち着いたいいメロディです。この夫妻はやはりントリー調が多いのですが、こういった曲も書けるところが素晴らしいです。
ちなみに歌っている Darrell Glenn という人は同年に "Crying In the Chapel" を歌った人で曲を作ったのは彼のお父さんで Artie Glenn という人です。


Have A Good Time (Boudleaux and Felice Bryant) / Tony Bennett with Percy Faith & His Orchestra (1952)

1952年に当時の大スター、イタリア系の歌手の Tony Bennett に提供した楽曲。こういうオールドスタイルな曲調も夫妻にとっては珍しいですが、ロマンチックないい曲です。


Hot Spot (Boudleaux and Felice Bryant) / Boudleaux Bryant & The Sparks (1959)

1959年、Boudleaux Bryant 自身がリリースしたインスト・ナンバー。ナッシュビル録音なので、バックコーラスは Anita Kerr のグループじゃないかと思います。


兄弟デュオ、The Everly Brothers は1956年に自身の作詞作曲で、"Keep A-Lovin' Me" を Columbia Records からリリースしていましたが、翌年、Cadence Records に移籍。Bryant 夫妻が書いた "Bye Bye Love" が大ヒット、ゴールドディスクに輝きます。以降、Bryant 夫妻は The Everly Brothers に曲を書き続けます。以下の曲以外に挙げてみると、"Wake Up Little Susie"、"Bird Dog" (Boudleaux Bryant 単独クレッジット)、"Problems"、"Take a Message to Mary" などがあります。
今回は厳選して3曲聴いてみたいと思います。


Like Strangers (Boudleaux Bryant) / The Everly Brothers (1960)

1960年にシングルリリースした作品。遠くに想いをはせてしまうメロディです。 "Bye Bye Love" や "Wake Up Little Susie" のような快活な曲もいいですが、このようなバラードもとても素晴らしいです。


All I Have To Do Is Dream (Boudleaux Bryant) / The Everly Brothers (1958-1960 Live)

1958年にシングルリリース、映像は1960年ライブ映像です。
奥さんの Felice さんの回想インタビューによると、この詩のようにFelice さんは後の夫の Boudleaux に出会う前から、夢の中で Boudleaux さんの姿をみて知っていたとのこと。それで初めて会った時に、運命を感じたそうです。


Love Hurts (Boudleaux Bryant) / The Everly Brothers (1960)

Boudleaux Bryant 単独クレジットによる作品。心の芯に染み入ってくる切ない曲。個人的にもいろいろ想いが募る曲です。同年、 Roy Orbison もこの曲をシングル・リリースしています。


この頃、Bryant 夫妻は The Everly Brothers 中心に楽曲提供していきました。The Everly Brothers 以外のミュージシャンに提供してきた楽曲も聴いてみたいと思います。

My Last Date (Bryant-Cramer-Davis) / Skeeter Davis (1960)

1960年に Skeeter Davis に提供した楽曲。Boudleaux と Floyd Cramer と Skeeter Davis との共作曲。プロデュースは Chet Atkins が担当。Boudleaux と Chet Atkins とは1950年代から関係が深く、Chet Atkins に "Blue Ocean Echo" などのインストナンバーを提供しています。


Raining in My Heart (Boudleaux and Felice Bryant) / Buddy Holly (1959)

1959年、ロックン・ロール・ミュージシャン、Buddy Holly に提供した楽曲。Buddy Holly には珍しく、オーケストラをバックに歌っています。オーケストレーションは Dick Jacobs が担当。後に Skeeter Davis も取り上げました。


ANGEL, ANGEL (Boudleaux and Felice Bryant) / Sue Thompson (1961)

1960年代に入って、夫妻はネバダ出身のガールシンガー、Sue Thompson に数曲、楽曲提供しています。この曲は1961年に提供した楽曲。バックコーラスは、The Anita Kerr Singers が担当。良質なガールポップス・ナンバーです。


Come Live With Me (Boudleaux and Felice Bryant) / Roy Clark (1973)

1970年代に入ってからの作品。カントリー・ミュージシャン Roy Clark に提供した楽曲で、U.S. Billboard Hot Country Singles 1位になりました。アレンジは Bill Walker が担当。


Medley of Their Hits / Boudleaux and Felice Bryant (1982)

Boudleaux が1982年、Felice が2003年に亡くなっており、既に故人ですが、1982年に夫妻が作った曲を2人で歌った映像が残っています。ギターは先の Roy Clark が弾いています。

(富田英伸)




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