2016.02.16
Native New Yorker Native New Yorker
Odyssey

Odyssey (1977)

"ディスコ"関係で続けます。

Frankie Valli でお馴染みの "Native New Yorker" 。
今宵は Odyssey のバージョンで。

"Native New Yorker" が収録されている Frankie Valli 『 Lady Put The Light Out』 のリリースが1977年。プロデュースは Charles Calello。Bob Crewe が関わっていないアルバムでした。

兄弟姉妹3人組で結成された Odyssey のデビュー・アルバム『Odyssey』も同じ1977年にリリース。アルバムの1曲目に収録されていたのがこの "Native New Yorker" でした。プロデュースはこの曲の作曲者の1人である Sandy Linzer 、そして Charles Calello です。

録音はニューヨークではなく、ニュージャージーの House Of Music というスタジオで制作されています。ただ、リズム・セクションはドラムスを除いて、The Stuff のメンバーが参加。そして、ベースに Will Lee、ギターに Jeff Mironov、John Tropea、Hugh McCracken といったように 当時、Charles Calello と関係が深いニューヨークで活動していたミュージシャン達が演奏しています。

アルバム収録曲の殆どは、Four Seasons の "Let's Hang On!"、"Working My Way Back to You"、"Opus17" の3連発ヒットを書いた、 Sandy Linzer-Denny Randell の楽曲で占められています。したがってこのアルバム『Odyssey』は Charles Calello よりもこの Sandy Linzer が主導で制作が進められたものと思います。このアルバムのクレジットには Charles Calello と Sandy Linzer のご家族の名前も見つけることができ、きっとリラックスした雰囲気で制作が進められたのでしょう。

同年1977年に "Native New Yorker" (12inchi Disco Mix Version)がリリース。Frankie Valli バージョンにみられる演奏の緊張感や音質(ミックスを若き、Bob Clearmountain が担当)は劣るものの、アレンジの構成要素は Odyssey のバージョンでほぼ出来上がっている感じがします。 Odyssey のバージョンの方がストリングスやホーン・セクションが若干薄めなので、リズム・ギターやピアノ(Richard Tee)の陰影がわかりやすいですね。

Native New Yorker (12inchi Disco Mix Version)(Sandy Linzer-Denny Randell) / Odessey(1977)

Charles Calello はこの曲を気に入って、ホームグラウンドであるニューヨークの Media Sound Studio に戻って、もう一度、この曲を Frankie Valli の歌唱でやってみたかったのではないかと勝手に想像しています。


1989年にOdyssey のベスト盤『Greatest Hits』 が出たのですが、ラストに "Native New Yorker (Brooklyn Club Mix)" というバージョンが収録されていました。ベースラインを増幅させるために、シンセ・ドラムやベースを追加録音、当時流行った手法を取り入れています。こういう手法には賛否あるのは承知していますが、このバージョン、ベースラインだけでなく、間奏にフルート等の管楽器等が追加されていて、実は当時、気に入ってよく聴いていました。(6分強、長いのでお時間ございましたら、是非。)

Native New Yorker (Brooklyn Club Mix)(Sandy Linzer-Denny Randell) / Odessey


(富田英伸)




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