2016.01.18
Give Up The Funk(Tear The Roof Off The Sucker) Give Up The Funk(Tear The Roof Off The Sucker)
Parliament

Mothership Connection (1976)

前回のPファンク、Funkadelicを取り上げてからあっという間に1年半も経ってしまいました。
毎度のことながら忘れたころにやってくるファンク特集の6回目。

George Clinton率いるPファンク軍団。ClintonはFunkadelicとParilamentを行き来しながらアメーバのような集団を率いて精力的に作品を発表していきました。George ClintonとBootsy Collinsが出会うのが72年頃。この二人がコンビで曲作りを手掛けるようになってからパワー全開の快進撃が始まるのです。前回はFunkadelicのアルバムを紹介しましたので、今回はそんなPファンク絶頂期、Parliamentの代表作の1枚としても知られている1976年の『Mothership Connection』を取り上げてみます。

人を喰ったようなジャケット。UFOに乗ったClintonがピラミッドを取り返しに地球にやってくるというSF調のコメディみたいな雰囲気。でも、中身はグルーヴに溢れたファンクビートがこれでもかと繰り出されてきます。1曲目はその名もずばり「P.Funk」何やら怪しげなClintonの語りから始まりワンコード・ファンクが展開されます。続く2曲目の「Mothership Connection(Star Child)」は印象的なホーンのリフが繰り返されるこのアルバムのコンセプト・チューン。メロディアスに雰囲気を変える部分にはClintonの非凡な才能を感じます。

徐々にテンションを上げながら、でも十分に練られたサウンドが展開されていきますが、とりわけドラムのJerome Bariley、ベースのCordell Mossonの重厚なビートが効いています。中でも白眉は「Give Up The Funk(Tear The Roof Off The Sucker)」。ビートのうねりとコーラスの絡みが絶妙で後にM.C. Hammerが「Turn This Mutha Out」という曲でサンプリングのネタとして使っています。

先に紹介したBootsy's Rubber Bandの『Stretchin' Out In』とFunkadelicの『Let’s Take It To The Stage』というアルバムとこの『Mothership Connection』はほぼ同じメンバーで同時期にセッションが行われたそうで、彼らの創作意欲がまさに花開いた充実の時期でした。



今日の1曲


(Kazumasa Wakimoto)




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