2015.12.03 - Songwriter
Don't Let It Go To Your Head Don't Let It Go To Your Head
Dennis Lambert - Songwriter

(1965)

【Lambert-Potter アーリー・イヤーズ編】

Dennis Lambert-Brain Potter は1970年代の ABC-Dunhill Records 以降、本国アメリカのみならず日本国内でもとても人気のあるソングライター・チームです。その Lambert-Potter チームの業績について数回に分けて書いていきたいと思います。
まず今回の第1回目は、"2人が出会う前" の1968年頃までを【アーリー・イヤーズ編】として纏めてみます。

Dennis Lambert は1947年ニューヨーク、ブルックリン生まれ。1960年代初頭には音楽の世界に入り、ソングライターを開始しているようです。1960年代中頃になると、 Lou Courtney という黒人シンガー・ソングライターと組んで、 Mercury Records 中心にレコードを制作しています。 Lou Courtney は本名を Louis Pegues といい、Dennis Lambert と組む場合はこの本名でクレジットされる場合が多いです。

Lou Courtney 自身もソングライティングに長けた人で、1960年代から既に自身の作品でシングルをリリース、1970年代には The Fifth Demension に途中加入、1974年には『I'm In Need Of Love』という優れたアルバムをリリースしています。Dennis Lambert はこの Lou Courtney からそのソングライター術において学ぶものも多く、かなり影響受けたのではないか推察できます。

1966年頃に Lou Courtney とのコンビを解消し、アレンジャー、指揮者である Don Costa がレーベル・オーナーをしている DCP Record でレコード制作するようになります。

この時代の Dennis Lambert が関わった作品を数曲みていきたいと思います。

I Want That Boy (Lambert-Pegues (aka. Lou Courtney)) / Sadina (1965)
Lou Courtney との共作で Dennis Lambert、10代の作品です。アレンジは Ray Stevens が担当。典型的なガールサウンドですね。Sadina とは カントリーシンガーの Priscilla Mitchell のことで、ギターリストの Jerry Reed の奥さんです。

Don't Let It Go To Your Head (Dennis Lambert) / Lorraine Ellison (1965)
Dennis Lambert の単独クレジット作品。プロデュースは Dennis Lambert-Lou Courtney の共同プロデュース。後に Jerry Ross Production で Jay & The Techniques がこの曲を取り上げています。この時代の Dennis Lambert の作品では一番気に入っている作品です。

I Dig You Baby (D. Lambert-L.Ellison-S.Bell) / Kiki Dee (1968)
この曲は先の Lorraine Ellison がオリジナル。イギリスのシンガー、Kiki Dee が Les Reed のディレクションで1968年にこの曲を取り上げています。オリジナルと聴き比べを。

Like Adam And Eve (Lambert-Kusik-Adams) / The Reflections (1966)
1966年、Don Costa Production での Dennis Lambert プロデュース作品。ラテンな雰囲気もある快活な作品です。

And The Band Played On (D.Lambert-E.Lambert-L.Kusik) / The Spindles (1966)
同じく、Don Costa Production での Dennis Lambert プロデュース作品。この頃になるとスピード感ある Dennis Lambert "らしさ" が出てきていますね。


Brain Potter についても少し触れておきます。

Brain Potter はイギリス生まれ。1969年頃まではイギリス本国で活動していたようです。クレジットとしては Small Faces や The Applejacks といったイギリス・ビート・グループの作品で見かけます。特にイギリスのミュージシャン、Graham Dee との共作が多いです。

この時代の Brain Potter が関わった作品を2曲程みていきたいと思います。

Two Can Make It Together (Potter-Dee) / Tony And Tandy (1969)
Brain Potter とGraham Deeとの共作。女性シンガー Sharon Tandy とイギリスのサイケバンド、The Fleur de LysのメンバーのTony Headのデュオ。快活な曲です。

You're A Dream Maker (B.Potter-G.Dee) / Barbara Lewis (1968)
Brain Potter とGraham Dee コンビで何故か、アメリカのシンガー、Barbara Lewis に曲を提供しているんですね。これがオリジナルか不明です。プロデュースはいつもの Ollie McLaughlin。この2人のコンビとしては曲調がかなり違いますが、いい曲です。

2人は1969年にロンドンで出会うことになります。
それはまた次回に

(富田英伸)




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