2015.06.25 - Star Song Special
Gay Spirits Gay Spirits
David Rose

Ultra-Lounge Vol. 3: Space Capades (1947(1996Re-Master))

"星"というお題で。

皆さんは星や夜空を表現する楽器や演奏方法はどんなものをイメージしますでしょうか?例えば...、チェレスタ(celesta)など体鳴楽器は星の煌きを表現する時によく登場する楽器です。鉄琴ヴィブラフォンや木琴シロフォン辺りも"輝いて"聴こえる楽器。オルゴールの音もいいですね。可愛らしく星が煌くイメージ。流星、天の川、降ってくるような星空を表現するのはストリングス(弦楽器)がやはり一番だと思います。

今晩は星や夜空に似合うストリングスを主体とした音楽を聴いてみましょう。
今宵のマエストロは David Rose 。1940年代から活躍した作曲家、アレンジャー、指揮者で、生まれはロンドンですが、すぐに家族とともにアメリカへ移住。
20代からラジオ局でピアニスト、アレンジャーとして働き出したそうです。1940年代になるとMGMスタジオ等映画会社でも働き出し、それがきっかけで1941年に女優、ジュディ・ガーランドと結婚します(1945年離婚)。

映画作曲、映画音楽監督の仕事と同時に、David Rose は自身のオーケストラを編成して、アルバムを次々とリリースしました。素晴らしいのはそのストリングスの調べです。
それで彼は当時「ストリングスの魔術師」、「ストリングスの王様」と評されました。その代表的な曲、David Rose 作曲「Holiday for Strings」。この曲は1943年にヒット、その後も多くの楽団によって演奏された人気曲です。弦のピッチカート奏法を主体にストリングス全体が煌き、躍動感に溢れています。
その後、50年代、60年代にかけてDavid Rose And His Orchestra 名義で多くのアルバムをリリースしました。

作曲家としては、映画のみならずテレビの音楽の作曲も担当。70年代になると日本でも親しみ深いこのテレビドラマのテーマソングも手掛けました。『大草原の小さな家』(原題:Little house on the Prairie)。1974年から1982年まで8年程NHKで放送されましたので、長い間、このアメリカの大地でがんばって生きる家族のことをブラウン管の前でDavid Rose作曲のテーマ曲とともに見守った人も多かったと思います。久しぶりに聴いてあらためて、いい曲と思いました。


今宵はDavid Rose が作曲、演奏した一番好きなこの曲を。
「Gay Spirits」。流れ星が尾を引いて飛び交い、星が夜空いっぱいに輝き出します。いまにも天の川から彗星が流れ出してきそう。ストリングスの調べが綺羅星の如く"踊っている"感じです。

今回の音源は1996年にCapitol Record がリリースしたコンピレーションUltra-Loungeシリーズ『Space Capades』より。Capitol社 による素晴らしいリマスターによってさらに煌きが増したような仕上がりになっています。


今日の1曲


(富田英伸)




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