2015.06.20 - Star Song Special
Little Star Little Star
The Elegants

(1958)

星をあしらった国旗って本当に多いですね。アメリカは星条旗だし、中国は五星紅旗。オーストラリアの国旗には南十字星があしらわれています。お隣のかの国の国旗にも星がありましたっけ。洋の東西を問わず星は国の希望の象徴ということなのでしょうか。

 スポーツや芸事の世界でも大活躍をしたり絶大な人気を誇る人のことを象徴的に“スター”と言いますから、星というのはやはり暗闇を照らす、僕たちの夢や希望の光なのでしょうね。

中国から伝わった七夕のロマンティックなストーリーは、新暦の日本ではちょうど梅雨時にあたるため恨めしく空を見上げることが多いのですが、それでも星にまつわるあれこれに思いをめぐらす季節ではあります。

さて、星のことを歌った歌も古今東西に文字通り星の数ほどあります。あまたある曲の中から最初に僕が思い出したのがこのThe Elegantsによる1958年の全米ナンバーワン・ヒット「Little Star」でした。Elegantsはニューヨークのスタテン・アイランドで結成されたイタリア系のヴォーカル・グループで、いわゆるホワイト・ドゥ・ワップの範疇に入ります。メンバーはこの曲を作曲しリード・ヴォーカルでもあったVito Picone、共作者のArthur Venosaをはじめとする5人で、この曲がヒットした当時、彼らはまだ10代だったそうです。

この当時、同じイタロアメリカンのFour Seasonsだったり、同じホワイト・ドゥ・ワップのDion&BelmontsやCrests、Mysticsなど、もう枚挙にいとまがないほどのストリート・ミュージシャンたちが街角のエコーを背に明日の“スター”を夢見てしのぎを削っていました。

この「Little Star」は童謡”Twinkle Twinkle Little Star”(日本でも「キラキラ星」でおなじみですね)の一節を配した洒落た小品。Vito Piconeの甘くまさにエレガントなヴォーカルが曲の良さを一層引き立てています。

けれども彼らのヒットはこの一曲のみの“ワンヒットワンダー”でした。素敵な曲で大ヒットを放った彼らでしたが、きら星のごとくスターが生まれては消えていくショービジネスの世界で、ずっと輝き続けるのは難しかったようです。でも曲の魅力が色あせることはありません。57年の時を経た今でもこの曲は変わらずきらきらと輝いています。



今日の1曲


(Kazumasa Wakimoto)




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