2015.02.08
Ram On Ram On
Paul and Linda McCartney

Ram (1971)

かなり画期的だった本日のサンソン『ヒツジ棚つか』に敬意を表して、ラム、このタイミングを逃しては。ピンク・フロイドになんか負けてはいられない。。。

『Ram』は Paul McCartney がビートルズ解散後につくった最初のアルバムで、「Ram On」はその中の1曲。タイトル曲というわけではないのですが、不思議な位置づけの、不思議なラムの中の1曲です。

ポール先生はビートルズ解散の喧噪を逃れ、スコットランドにいったん引っ込みます(関連)。そこで心の平静を取り戻すも、ラムを発表した直後にジョンが天下の名作『Imagine』を発表し、そこでラムのヒツジを揶揄して(ラムのブタ返し)なんだか気の毒な状況が続きます。実際ラムの評判も70年代は確定していなく、ファンには人気があったものの、ラムがポール先生の傑作として評価されたのは最近のことではないかと思われます。このアルバムにはすごくいい曲が、考えようによっては『Abbey Road』の後継となるような音楽的な充実がある曲が詰め込んでありますが、ポール先生特有のプロダクションの甘さがそれを名作にさせなかったのではないかと思います。このツメの甘さが、今きくと、聴けばきくほど、ラムの魅力として訴えかけてきます。

ポール先生の作曲は出所がよくわからないものが多く、そう、思いつきとしかおもえないような曲が時々でてくるのですが、「Ram On」は私がそう思う代表の曲です。

歌詞は2行、これだけです。

Ram on, give your heart to somebody soon,
Right away, right away.

演奏は ほぼ ポールの弾くウクレレのみ。コードも4つで、7度(maj7)、6度の和音で不安を引っ張って、陽転して「ドミソ」「ドファラ」で強引に解決します。そして7度、6度のループ・・・

ちなみに "Ram On" は Ramon とも読めますが、これはポール先生の変名(Paul Ramon)になります。先生はこの名前をアマチュア時代に使っていたそうですが、Steve Miller Band にゲスト参加したときもこの名前を使っています。なおパンクバンドである Ramons はポール先生の変名にちなんでいるそう。いろいろな人がいますねえ。

2015年4月。ポール先生、来日決定です。


今日の1曲

Stella McCartney Summer 2015 Campaign Film



(たかはしかつみ)



Copyright (c) circustown.net