2014.10.13
Watch Out Sally Watch Out Sally
Diane Renay

single (1964)

去る9月11日に亡くなったプロデューサーで作曲家のBob Crewe。映画『ジャージー・ボーイズ』が公開されたこともあってこのタイミングでの訃報にはちょっとびっくりしました。
ドゥワップをはじめとするR&Bやロックンロール、果てはディスコまで実に様々なジャンルの曲を書いてきたオールラウンドな作曲家で、残した作品もかなりの数にのぼるのでその全貌はとても追いきれません。

そんなBob Creweは60年代にはガール・ポップスも手掛けています。
Diane Renayもそんなひとり。いわゆるアイドル・シンガーで、写真を見るとなかなかの美貌。日本でも伊東ゆかりや九重佑三子がカヴァーしたことで知られる「Navy Blue」はBob Creweが手掛けて大ヒットした彼女の代表曲です。

Bob Creweのプロダクションで彼が一緒に仕事をしたソングライターとしてSandy LinzerとDenny Randellがいます。The Four Seasonsの「Let’s Hang On」や「Opus17」などはこのコンビによる作品で、彼らとBob Creweは一緒に多くの仕事を残しています。

そんな彼らと組んで出したのがこの「Watch Out Sally」。リズム・パターンは”ボ・ディドリー”スタイル。このリズム・パターンで辿っていくとThe Strangelovesの「I Want Candy」、Dr.Johnが取り上げた「Iko Iko」ときて“右手左手合わせりゃ音出る”「ハンド・クラッピング・ルンバ」とくれば“君とだけ”「ドーナツ・ソング」へとつながるポップスの王道パターン(笑)。ファズの効いたギターの間奏を聞いているとちょびっと「1969年のドラッグ・レース」にも雰囲気似ていませんか?

Diane Renayはその後大きなヒットには恵まれず、やがてガール・ポップスの時代は終焉を迎えますが、Bob Creweはこのジャンルでもしっかりとした功績を残していて、Lesley GoreやThe Toys、女性版Four SeasonsのRag Dollsなど聴いて楽しいガール・ポップスをたくさん残しています。



今日の1曲


(Kazumasa Wakimoto)




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