2014.10.05
Gravity Gravity
Sara Bareilles

Little Voice (2007)


 好きな海外のミュージシャン、シンガーのライブを見る機会はそうそうあるものではないです。その機会は、来日公演によって実現されるものです。
 その来日公演を心待ちにしていたのが、好きなアメリカの女性シンガー・ソングライター Sara Bareilles の3年ぶりの来日公演でした。うかつにも、まだ彼女の歌、音楽を知らなかった3年前の公演を見逃していたことから、余計に募る想いがあり、来日を心待ちにしていたわけです。それに加えて、Music Book で紹介したライブ DVD『Brave Enough』を見て、彼女のライブへの期待が高まりました。
 さて、9月29日の恵比寿 Liquid Room での「Little Black Dress Tour」のライブには、とても楽しみに足を運びました。今回のツアー、アメリカでの様子は YouTube などで見ていましたが、弦楽器の入るバンド編成でした。東京では、彼女とキーボード&ギター、パーカッションというトリオの少人数の編成となりました。最新作『The Blessed Unrest』の中の1曲「Little Black Dress」をツアータイトルにし、同作を中心に新旧の歌を織り交ぜた構成の1時間半のライブでした(前座でバンドの一員で女性シンガー・ソングライターの Misty Boyce が5曲歌いました)。今までのアルバムからは「Let It Rain」「Love On The Rocks」「Love Song」「Uncharted」など、そして最新作からは「Brave」「I Choose You」「Hercules」ほかが歌われました。彼女の豊かな表情とともに、素晴らしい歌唱力が観客を魅了しました。それぞれの歌 −バラードあり、ブルージィあり、アップテンポあり− を自然体で歌う彼女の魅力がライブの進行とともに、観客の心の中にじわじわ共鳴し、感動が残っていったと思います。また「King Of Anything」「Love Song」での観客とのコール&レスポンス、合唱も彼女の歌を盛り上げて楽しかった。あっという間の1時間半のライブ、素晴らしいライブでした。
 特に印象深いのは、アンコールで歌われた「Gravity」です。淡々とピアノの弾き語りで歌う彼女のラブソング。「Set Me Free / Leave Me Be / I Don't Want To Fall Another Moment Into Your Gravity」のところがいいんです。先達のアメリカの女性シンガー・ソングライターの影響を感じさせる歌でもあります。
 なお、前のライブ DVD のレビューと重なる部分があることをご了承ください。

今日の1曲

(伊東 潔)




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