2013.09.30
The Waiting The Waiting
Tom Petty & The Heartbreakers

The Live Anthology (2009)

Tom Petty 様

 お元気でしょうか。ライブが多いバンドマンであり、ミュージシャンであるあなた。今もライブツアーの途上でしょうか。極東の島国日本でもあなたのファンが多くいますが、私もその一人です。もっともその出会いは遅く、と書くと話が長くなりますね。
 2010年にリリースされた『Mojo』以来、新作の話を耳にしないのが残念ですが、あなたと The Heartbreakers のライブ活動は耳にしています。最近、NY の Beacon Theatre でのライブがあったのをネットで知りました。アメリカン・ロック・バンドの古参と言ったら、あなたに笑われるかもしれませんね。1976年にソロ・デビュー後、The Heartbreakers とつかず離れずに永年に活動し、いつもファンとともに歩んでらっしゃるように感じます。
 それは、2009年にリリースされたあなたと The Heartbreakers の 1980年から 2007年までのライブの集大成といえる4枚組の『The Live Anthology』を聴くと強く実感されます。
 あなたの少し鼻にかかった歌声、そして甘さと苦みをいい塩梅にブレンドした歌唱、Bob Dylan の歌を意識した歌い方、好きですね。そして、ロックンロール、ブルース、ソウル・ミュージックなどの影響を受けつつ、あなた自身の歌の中でそれらを消化し、Tom Petty 節でソロでも The Heartbreakers でも聴く者を楽しませてくれます。The Heartbreakers の盟友のギターの Mike Campbell とキーボードほかの Benmont Tench の屋台骨の支えられたあなたとバンドのアンサンブルの良さなのでしょうね。
 それと同様に、あなたの歌声、バンドの演奏に対する観客(=ファン)のコール&レスポンスでの暖かい交流がライブ会場の温度を上げ、このライブ盤を聴く者までがその会場の観客と同じようにコール&レスポンスを体験している喜びを感じます。
 このアルバムは、代表曲の『Refugee』、『I Want You Back Again』、『The Waiting』のほか、Dave Clark Five、Booker T & MG's 他のカバーも聴くことができます。
 ところで、1980年の初来日以来、86年ディランと共演ライブ以外に来日がないのはファンの一人としてとても残念です。多くのあなたのファンが来日を心待ちにしていると思います。もちろんあなたと The Heartbreakers でのライブを。新作とともに、来日を切に願っていますよ。

(伊東 潔)




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