2013.09.21
Be Nice To Me Be Nice To Me
Jules Shear

Sayin' Hello To The Folks (2004)

 最近、どうしてるのかなぁ?流れの早いアメリカの音楽業界の中で、この人の歌、声を耳にしなくなって少しさみしいなぁ。私だけが耳にしていないだけかもしれないが。
 その人は、私の好きな男性シンガー・ソングライターのひとりの Jules Shear さんです。
 2004年に Valley Entertaiment(多分、インディーズだろうな、ペラペラの1枚のジャケットがしょぼいなぁ)からリリースされた Dave Clark Five の『I've Got To Have A Reason』のカバーではじまるカバー曲を集めたアルバム『Sayin' Hello To The Folks』(みなさんによろしく、って感じ)は彼のアルバムでもよく聴く1枚なんです。
 選ばれた曲は、先述した Dave Clark Five をはじめとして、Bob Dylan、Joe Tex、Woody Guthrie、James Brown などと幅広いのですが、その中で私が知っていた曲は、最近はRumer も取り上げている Todd Rundgren の『Be Nice To Me』と Brian Wilson の『Guess I'm Dumb』でした。それほど、彼の歌の好みの幅広さを知るおもいです。
 『Be Nice To Me』は、ギターとキーボード(シンセ)のシンプルな音をバックに、ひとつひとつの歌詞をかみしめるように歌われ、聴く者のこころにじわじわとしみてくる彼のヴォーカルに魅了されます。
 Jules Shear の声質、歌唱は朴訥で、飾らない、温かみがあり、カバー曲のそれぞれが歌のもっている魅力を十二分に聴く者に伝えてくれます。大げさかもしれませんが、歌に対する誠実さといったらいいでしょうか。そして、このアルバムを聴くと、オリジナルを耳にしたくなるのも彼の歌唱ゆえかと思います。
 彼の書いたこのアルバムのライナーノーツでは、また、このようなアルバムを作りたいとのコメントがあり、第二集への夢がふくらみます。まだ実現していないのが残念です。ちなみにこのアルバムは彼の好きな歌の70曲から絞られて作られたそうです。
 
 後記
 2013年1月、女性シンガーであり、パートナーの Pal Shazar と Shear/Shazar としてアルバムをリリースしました。小さな集まりでの彼らのライブを YouTube で見ましたが、これからも1枚でも多くアルバムで彼の歌唱を耳にしたいものです。

(伊東 潔)




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