2013.08.18
Anchor Anchor
Mindy Gledhill

Anchor (2012)

たま〜に、年に一度くらいですが何の知識もなしにジャケットだけに惹かれてCDを買うことがあります。
いわゆるジャケ買い。何も知らないでジャケットだけで買ってみてその内容がジャケットにたがわず良かったりすると、ちょっと得した気分になります。アナログ盤にはアートワークにこだわったレコードがたくさんあってCDよりもジャケ買いの魅力がありましたが・・・。
さて、この間そうやって買った一枚がこのアルバムです。未知の扉を開く瞬間のワクワク感はジャケ買いの魅力。

Mindy Gledhillはカリフォルニア出身の女性SSWで大学在学中の04年にデビューしました。デビュー当初はフォーク調の歌を歌っていたようですが(もちろん聴いたことはありません)、三枚目のこの『Anchor』はアコースティック・ポップ。新境地を開いたというよりは本来こういうスタイルの音楽をやりたかったんだろうな、というような溌剌とした弾けるような雰囲気がアルバム全体から感じられます。

キュートで何ともコケティッシュな歌声と豊かなメロディはポップス版のBlossom Dearieといった感じ。歌声とメロディの愛くるしさがぴったりマッチしています。
1曲目の「California」はバンジョーを使ったイントロのセンスが印象的。2曲目の「Crazy Love」の次第に高揚していく流れも爽やか。優しいメロディの「All About Your Heart」、ウクレレを効果的に使った「This Is My Song」など、どれも奇を衒ったところのない素直さ。西海岸のからっとした屈託のなさを届けてくれています。

さて、そのジャケットは海を背にしたボードウォークで、色鮮やかなワンピースにコンバースのスニーカーを履いた彼女が真っ赤な傘を差してジャンプしているというものです。どこまでも軽やかにこのまま空へと上っていくようなジャケットに思わず手が伸びたのでした。
よく見るとその赤い傘には細工が施してあるのですが、この何ともインパクトのあるジャケット、ちょっと色調がセピアがかっていて新譜なのにどことなく懐かしいテイストです。

今年の夏は本当に暑い夏ですが、エアコンを効かした部屋で彼女の歌を聴きながら飲むのは、やっぱりよく冷やしたカリフォルニア産のワインかな。樽の渋みが溶け込んだちょっと琥珀のシャルドネを飲みながら彼女の曲を聴いていると、いつの間にか午睡に誘われていくよう・・・。



今日の1曲



(Kazumasa Wakimoto)




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