2013.08.09
Carey Carey
Joni Mitchell

Blue (1971)

暑い!というか8月に入ってからの今年の東京は、熱風の中で生活しているような気がします。

The wind is in from Afria
Last night I couldn't sleep

アフリカから風が吹いてきて昨夜は眠れなかった

印象的なこの歌詞で始まる今日の一曲は、Joni Mitchell の代表作 "Blue" 収録の Carey です。Carey が誰で舞台はどこなのか、ちょっと謎めいた曲です。
主人公は旅人で、ジョニ本人にみえます。Carey は恋人にきこえます。舞台はアフリカから風が吹いてくるので、スペインかどこかだと考えていました。

歌詞の中に「マタラの月」という表現が出てきます。マタラとはギリシャのクレタ島の海岸沿いの町でした。なんでもジョニは1970年の前半をマタラで過ごし、ヒッピーというか自由な生活をしていたそうです。Carey は James Taylor だ、いやそうでないと色々話があるようですが、ジョニの恋人の歴史を振り返るのはそれこそ暑苦しいのでやめることにします(実際のところは地元のコック?のようです)。

クレタ島というと理系は「嘘つきのパラドクス」を思い出しますが、やはりギリシア神話です。ゼウスという神だか王様だかわからない人(神か..)がいましたが、ゼウスがフェニキアから美しい娘エウロペを白い牡牛に化けて連れ去った先がクレタ島のマタラとのこと。ジョニは歌詞の中で「アムステルダムに行こうかしら、それともローマ」と歌っていますが、エウロペがヨーロッパの語源であることも考えると、気分は牡牛座にまたがったエウロペです。

曲は、荒っぽくひどくグルービーなジョニのダルシマーと Stephen Stills のベースを軸に歌われます。ジョニの縦横無尽のヴォーカルはビートのある曲でもいいですね。コンガに異国を感じます。


サハラ砂漠を吹く熱風をギブリというそうです。日本ではスタジオジブリになりました。


今日の1曲


(たかはしかつみ)




Copyright (c) circustown.net