2013.02.11 - Love Songs Special
I Go For You I Go For You
Sammy Davis, Jr. & Carmen McRae

Boy Meets Girl (1957)

 『Boy Meets Girl』というと、淡い初恋を思わせるようなタイトルですが、今回ご登場いただくのは、だれでも知っているミスター・エンターティナー、歌手であり、俳優である Sammy Davis, Jr.と、Ella Fitzgerald、Sarah Vaughn、Billie Holiday と並ぶ実力、人気を備えた女性ジャズ歌手 Carmen McRae。ややとうがたった Boy Meets Girl ですが、おふたりが当時 Decca Records に在籍して実現した素敵なデュエット・アルバムです。

 アルバムの内容は、Cole Porter をはじめとする作家の手になる、いわゆるスタンダード・ナンバーを集めたもので、今ではジャズ・ミュージシャン・歌手にとって大事な音楽の宝箱になっています。ライナーノーツによると「I Go For You」は二人の最初の共演のシングル盤「A Fine Romance」のB面で1955年に発表され、アルバムのCD化のボーナス・トラックとして収録されました。後に Burt Bacaharch とコンビで有名な Hal David が作詞し、Leon Carr が作曲したものです。

 この歌、好きな相手にいろいろな比喩を使い、あなたに首ったけ、あなたに夢中、という熱烈なラブソングでしょうか。

 チャチャのリズムにのり、SammyとCarmenの歌のかあけいで始まります。

 Sammy「Were I A Rowboat/ I'd Row For You」
 Carmen「Were I A Sunlamp/I'd Glow For You」
 Sammy「Were I A Rooster/I'd Crow For You]
 Sammy+Carmen「I Go For You/I Go For You/Through Rain And Sleet And Snow For You」

 Sammy Davis, Jr.の声量のある、ふくよかな伸びのある歌唱に、Carmen McRae のはっきりとした口跡でストレートに響く歌唱がデュエットの醍醐味(大げさかしら)を感じさせます。歌自体は小品ですが、聴きながら心がうきうきする楽しい歌です。

 このアルバムを聴くと、Sammy Davis, Jr. はエンターティナーとしてだけでなく、「歌手」としての素晴らしい面をもっともっと聴いてほしいと感じますね。Carmen McRaeについては、またいつか話したいと思います。

(伊東 潔)




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