2013.01.12
Woman, Woman Woman, Woman
Gary Puckett & The Union Gap

Single (1968)

 中学生だった当時、ラジオから流れてくるヒット曲に興味を覚え、少ないお小遣いから情報源として音楽雑誌の『ミュージック・ライフ』や『ティーン・ビート』の発売日を心待ちにしていたあの頃。雑誌に掲載されていた数週間遅れの Billboard のヒットチャートを見ながら、ラジオから流れてくるヒット曲のシングル盤のどれを買おうかなぁと懐と相談しながら、レコードの発売日を今日か明日かと、心をときめかしていた日々。
 その頃、この歌もラジオから何回も流れていて、いつまでも心に残り、今の自分が音楽を聴く際の土台になっている歌のひとつになっています。
 その歌は、当時は The Union Gap の名前でクレジットされていた Gary Puckett & The Union Gap の「Woman, Woman」です。1967年11月に Billboard で4位になった彼らのデビュー曲です(当時は知る由もありませんが、Jerry Fuller のプロデュース、Al Capps のアレンジ)。
 ドラムのイントロ、Gary Puckett が朗々と歌いだす「Woman Oh Woman/Have You Got Cheating On Your Mind/On Your Mind」のメロディから引き込まれます。次の「Something's Wrong Between Us/That's Your Laughter Cannnot Hide」の抑えた落ち着いた歌唱へ、実にスムースにメロディの展開がなされます。Gary Puckett の歌唱が素晴らしい。
 以前もお話しましたが、私が洋楽を聴き始めた'60年代後半、アメリカのポップス界では、たとえば、The Classics Four の Dennis Yost、The Buckinghams の Dennis Tufano など、それぞれのグループのリード・ヴォーカリストが特色のある声質と歌唱でポップス・ファンを魅了しましたが、Gary Puckett もそのひとりといえるでしょう。
 その後、彼らは「Young Girl」、「Lady Willpower」、「Over You」などのヒット曲を放ったことはご承知のとおりです。それぞれが「Woman, Woman」と並んで、いまも私たちの世代のポップス・ファンの記憶に残る名曲、佳曲として、いつまでも生き続けると思います。

(伊東 潔)




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