2012.11.04
Love Won't Let Me Wait Love Won't Let Me Wait
Major Harris

My Way (1974)

再び、秋の夜長のスウィート・ソウル。そして再び"Atlantic R&B Best Collection 1000"から。そしてまたまたフィリー・ソウルで。
ただし、この曲はR18指定(笑)。

Major HarrisはもともとはDelfonicsに在籍していた人で、Atlanticと契約して出したこのソロ・アルバムは、この間取り上げたBlue Magicと同じくNorman HarrisとBobby Eliがアレンジ、プロデュースを手がけていて、スタジオもシグマ・サウンド、しかもこのアルバムでも「Sideshow」が取り上げられていて発売年も同じ1974年と、テイストとしてはほぼBlue Magicと対をなすような作品です。

アップテンポの曲はMFSBお得意のいわゆるフィリー・ダンサーそのもので、特にBarbara Ingramのコーラスが印象的な「Loving You Is Mellow」はMajor Harrisのハスキーな歌によく合っています。
そして、これは制作側の意図なのか何故か最後にはアルバム・タイトルにもなっている「My Way」が取り上げられています。

しかしやはりなんといっても白眉はバラード。とりわけ「Love Won't Let Me Wait」は、もうとにかくエッチ、エロ、スケベです(笑)。
曲の途中から女性の艶かしい喘ぎ声が聞こえ始めてこれが曲の終盤に向かってどんどんエスカレートしていきます。その点はMarvin Gayeの「You Sure Love To Ball」とかSylvia Robinsonの「Pillow Talk」とか、思いつくだけでもこの路線で1ヶ月くらいはいけそうな気もするのですが、サイトの性格が変わるといけないので年に1回ぐらいにしときます(笑)。

それで、このエロティックな喘ぎ声を担当しているのが、コーラスのBarbara Ingramらしいのです。
彼女はこのアルバムにも参加しているCarla Benson、Evette Bentonらとともにフィラデルフィア・インターナショナル(PIR)で多くのコーラスを担当した以外にも、Stevie WonderやMarvin Gaye、Luther Vandrossら数多くのレコーディングに参加しています。PIRやモータウンではバックグラウンド・ヴォーカルとして確固たる活動をしてきましたが、94年に46歳の若さで亡くなっているようです。

こういうのを聴いていると、まあだいたい夜があっという間に更けていくわけです。


今日の1曲


(Kazumasa Wakimoto)




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