2012.10.24
Quando Quando Quando Quando Quando Quando
Engelbert Humperdinck

A Man Without Love (1968)

Engelbert Humperdinckでまさかの繋げネタ。

フンパーディンクと言えば、ホンダ「フィット シャトル」のCMで「Quando Quando Quando」が昨年の春から使われています。最初に聴いた瞬間から、このリッチでゴージャスな歌唱とサウンドに打ちのめされてしまいました。それ以来この曲が収録されているレコードを探していましたが、先日遂に中古レコ屋で見つけました(300円!)。

1968年にリリースされた『A Man Without Love』というアルバムで、「Can't Take My Eyes Off You」「A Man And A Woman」「Up, Up And Away」「The Shadow Of Your Smile」といった当時のヒット曲を、芳醇なアレンジでカヴァーしています。フルートやマンドリン、マリンバなど、およそロックには使われない楽器を多用した練りに練ったサウンドは、当時のMORがいかに豊かな才能とバジェットで生み出されたかを物語っています。

残念ながら、レコードにはアレンジャーもミュージシャンも、プロデューサーの名前さえ記されていませんでしたが、この頃のイギリス産のポップス(Tom JonesやDusty Springfieldなど)には本当に素晴らしいサウンドのものが多く、これらを作り出したアレンジャーやバック・ミュージシャンなどに最近興味が移りつつあります。アメリカよりもあまり語られないので、なかなか情報を得ることが難しいのですが。

ちなみに「Quando Quando Quando」はTony Renisが1962年にリリースしたイタリアン・ポップスがオリジナル。これまでに星の数ほどのカヴァーがありますが(中でもCliff RichardとMichael Bubléのヴァージョンが特に好き)、フンパーディンクのカヴァーは出色の出来だと言ってもいいと思います。ホンダのHPにはこの選曲について「何度も楽曲選定をやり直し、苦労の末に探し出した」とありますが、シングル曲でもないこんな隠れた曲を見つけ出したセンスに拍手を送りたいと思います。



今日の1曲


(高瀬康一)




Copyright (c) circustown.net