2012.07.07
Umbrella
The Smoke

The Smoke (1968)

この前の「サンデー・ソングブック」は、先月91歳で大往生を遂げたレイ・ブラッドベリの特集でした。放送を聴いて、ブラッドベリが時代を越えて様々なアーティストやミュージシャンにインスパイアを与えていたことを知り、改めて偉大な作家だったんだなぁと思いました。

洋楽を聴き始めた頃に大ヒットしていた懐かしいTOTOの「Africa」が、ブラッドベリの短編「草原」にインスパイアされて作られたことを初めて知りましたし、逆にElton Johnの「Rocket Man」はブラッドベリの同名作品の影響下にあることを最初から意識して好きになった曲です。

嬉しかったのが、Michael Lloydが在籍していたThe Smokeの「October Country」がかかったことでした。これもブラッドベリの「十月はたそがれの国」の原題をそのまま頂いた1968年のナンバーですが、1968年の10月に生まれた僕は、以前からこの曲にとても親近感を抱いていました。

ハープシコードのイントロと重厚なストリングス・アレンジが、同時期のMillenniumなどを彷彿とさせるサイケ気味のソフト・ロック。サイドウォークからアルバム1枚だけリリースして消えてしまったスタジオ・プロジェクト的なグループでしたが、Michael Lloydはその後プロデューサーとして成功し、あのピンク・レディーの米国進出にも手を貸しています。

今日の1曲はその「October Country」にしたかったのですが、7月に10月の曲というのも何ですので、梅雨の時期に似合う曲ということでアルバム『The Smoke』に収録されている「Umbrella」にします。憂いを帯びたレイン・ソングで、今の時期にピッタリのナンバーです。

ちなみに、日本で一番レイ・ブラッドベリに影響を受けているソングライターは加藤ひさしではないかと。彼のバンド、コレクターズには「ロケットマン」という曲も「10月のたそがれた海」という曲もあるのですから。


今日の1曲


(高瀬康一)




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