第回 : 森 勉さん



『ビッグ・ウエンズデー』〜『ビッグ・ウェイブ』
シュガー・ベイブ

-山下達郎さんの思い出をお聞かせいただけないでしょうか。
 最初にシュガー・ベイブを見たのは、池袋のシアターグリーンのホーボーズコンサートです。名前は知ってたんですけど、僕は実はセンチメンタル・シティーロマンスを見に行ったんですよ。それでセンチもすごく良かったんですけど、ここでシュガー・ベイブってすごくいいバンドがあるってこの時に認識しました。はっぴいえんどの解散コンサートで達郎さんは見てるんですけど、シュガー・ベイブとしてはっきり見たのは初めてでした。

 オリジナルもすごく良かったんですけど、コンサートの途中でアンプが故障して、それでじゃあ僕一人で歌いますっていって、Beach Boys の「Your Summer Dream」を歌ったんです。その時は、こんな曲を知ってる人がいるんだっていう印象が強かったんです。『Surfer Girl』に収録されていたんですけれども、当時日本盤は出てなかったと思うんですよね。それなのになんでこの曲をこの人は歌うんだろうと思って。これは!っていうのがありました。でもほとんどお客さんがいなくて、後で聞くと聴いてた人もほとんどスタッフだったらしいですね。その数日後に細野さんのコンサートもあったんですけど、行ったら長蛇の列で、シアターグリーンってすごく狭かったんで、入れなかったんです。やはりレコードを出しているとずいぶん違うものだなと思いました。

 その後、シュガー・ベイブに関してはとにかく聴きたい、見たいという欲求が強くなって、シュガー・ベイブって名前を見たら必ず見に行くようにして、東京でやったのはほとんど見に行ったと思いますね。


1974年6月26日、池袋シアターグリーンでの「ホーボーズ・コンサート」の日程表

貴重なチケットを TATSURO SINGS SUGAR BABE のコンサートパンフでは白黒写真でしたので、カラーにて特別公開?!
 達郎さんとは音楽の趣味が一致してたんで良かったですね。その頃はライブが終わると声をかけていて、シュガー・ベイブの話しじゃなくて、だれそれの新譜がよかったとか、そんな話ししてましたね。ラジオのオールナイトニッポンで、Billy Joe Royal の「Down In The Boondocks」をリクエストしたらかけてくれたんですよ。好きだったんですけど、当時発売されてなくて。ラジオに葉書を書いたのは久しぶりですよ、そうしたらかけてくれて。これは応援しなくちゃって思いました。

 ゴーゴーナイアガラも達郎さんのオールナイトニッポンも自分が子供の頃聴いてきた音楽をかけてくれて嬉しかったんですよ。当時も普通のラジオ番組は新譜が中心なのに、そういう音楽をかけてくれるので一所懸命聴いていました。2部だと聴くのが大変で苦労して聴いていました。当時オートリバースとかないんで、まずカセットデッキをタイマーで1時間セットするんです。後半の4時から5時まで。それからオープンリールデッキの遅いモードで録音始めて1時過ぎに寝るんです。そうするとそのテープの最後に番組前半の3時から4時が入るんです(爆笑)。



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