Frank Sinatra

Winter Wonderland

2004 " The Christmas Album " METRCDXP015 Union Square Music /CD





 キリスト教系の中学・高校で十代を過ごした私にとって、クリスマスというのは賛美歌やミサの祈りの文句のいくつかもそらで覚えていたりして、それなりに身近な行事でした。そして歳をとった今でも心浮き立つ、年中行事の中で最も好きなイベントです。
 昔から毎年この時期になると、クリスマス・アルバムを集めるのを趣味みたいにしていました。その数は今では50枚は下らないと思います。20年ぐらい前はクリスマス・アルバムというのが今ほど作られていたわけではなかったので、アルバムが出ると飛びつくように買っていたものです。それから、例えば The Band の「Christmas Must Be Tonight」やDonny Hathaway の「This Christmas」などのようにアルバムの1曲としてひっそりと収められている曲を見つけ出すのも楽しいものでした。今では季節の企画ものとしてある程度の数字が見込めるのか、メジャーなアーティストもこのジャンルに結構乗り出しているし、レコード会社も、大物アーティスト同士をコンピレーションで同居させたりして、百花繚乱のようになってきました。ちょっと食傷気味かな。ここ数年は年に一枚も買えばいいほうで、最近は名作、Phil Spector のクリスマス・アルバムやCarpenters のものなどを繰り返し聴いています。


 前置きが長くなってしまいましたが、今年もいろんなクリスマスものが出たなかで目を引いたのがこれ。なぜ、今シナトラなのか・・・、不思議です。内容は誰もがよく知っているスタンダードなクリスマス・ソング集。シナトラは過去にも『Have Yourself A Merry Little Christmas』、『The Sinatra Family Wish You A Merry Christmas』など何枚かクリスマス・アルバムを発表していますが、このアルバムはそれら過去の作品からの寄せ集めで、取り立てて目を引く内容ではないと思います。しかしCDをかけたとたんに暖炉のある暖かな家の中で七面鳥にナイフを入れる絵がぱっと広がってきます。そこは"ジ・エンタテイナー"、シナトラ。クリスマスの雰囲気をたっぷりとかもし出してくれます。
 そしてこのアルバムの特筆すべきは立体ジャケット!(昔の「飛び出す絵本」を思い出します)PSPが売れまくっているご時世にこういうきわめてアナログなたわいのないおまけが妙に新鮮です。同じシリーズにBing Closbyも出ています。
暗い出来事多かった一年の終わりを、せめてゆっくりと穏やかに過ごすにはぴったりの一枚です。

(脇元和征)


飛び出すジャケット!



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