Tica

Take A Nap

2002 " Phenomena " V2 Records Japan/V2CL-6012/CD





 立秋の声を聞くころになっても今年は猛暑の連続。真夏日の日数も過去最高になると耳にします。2004年は「暑さ」と「オリンピック」が記憶に残る年になりそうです。こういう時には、清涼感を呼ぶ音楽を聴いて日々の疲れをリラックスさせるのもいいんではないでしょうか。
 武田カオリ(voc)と石井マサユキ(g,サウンドプロデュース)の男女2人組のTicaをご存知でしょうか。Port Of Notes,Love Psychedelico,Ego-Wrappin'などの男女2人組が増えていますが、Ticaもその一組です。武田カオリの水彩画に一筆一筆で色を添えるようなタッチを思わせるヴォーカルと、彼女のヴォーカルを生かしす包み込む石井マサユキのサウンドデザインが前述の他の男女2人組にはない魅力を聴く者に与えます。


 彼らの2002年にリリースされた3枚目のアルバム「Phenomena」の中の1曲「Take A Nap」は、上述した清涼感を呼ぶ、とても気持ちのよい作品に仕上がっています。詞の中にあるように、夏休みの海岸沿いのコテージでハンモックで、うたた寝(「Take A Nap」はその意味)をしている感じを誘います(「まどろみはどこまでも深く/夏休み/かん高い笑い/波音はどこまでも深く/うたた寝の余韻/妙に甘い」)。シンプルなメロディに聴く者が波にただよっている感じも与えます。
 武田カオリの無機質的で、ざらつきが少しみられながら、透明感を感じさせるヴォーカルと打ち込みの人工的な音を中心とした石井マサユキの作るラウンジ系、ダンサブルなサウンドがTicaの音楽の魅力の一面をみせています。
 アルバム自体が駅のプラットフォームに武田カオリがたたずむCDジャケットからも(音からも)旅へのいざないを感じさせるアルバムになっています。ただ、サウンド志向の面が前面にでたせいで、歌詞が音にのらないで、歌詞のききとりにくい面が出てしまった感は否めないのは残念です。カバーアルバム2作後、オリジナルの新作が心待ちにしているファンも多いのではないでしょうか。

(伊東潔)





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