Chenoa

Chain Of Fools

2003 VALE MUSIC/BMG VLCD 225-1 / CD+DVD





 今年出会ったスペインの恋人です。アルゼンチン生まれでスペインのマヨルカ育ち、チェノアと読みます。このライブ盤のオープニング曲「Chain of Fools」、一発でとりこになりました。
 彼女は言ってみればスペインのアイドルで、世に出たきっかけというのが、OT(Operacion Triunfo)という音楽番組。素人の男女が歌手へのレッスンを受けながら勝ち抜きをしていく番組だそうで、かなりの高視聴率を記録。彼の地の老いも若きもが毎週の行方にハラハラどきどきだとのこと。彼女は2001年に始まった最初のOT(OT1)に出場し、優勝はできませんでしたが、いい所まで行ったそうであります。Rosaさんとか、Bethさんとか、日本のCD店でもまれにみかけるスペイン産若手女性歌手は、やはりこの番組出身との事。OT、見てみたいですねー。


 マイ・フィバリット・ソングスと題されたこのアルバムは、彼女の2作目。同じライブを収めたDVD付きの2枚組みなのですが(いいよ映像も)、それを見るとお客を入れたスタジオライブの風情。女性コーラス入りのアコースティックなバンドは、とても上手いです。Chenoa はジャズのスタンダードを歌い上げるかと思えば、70年代な「Ain't No Sunshine」(AWBです)を生意気にもこなします。ピアノに寄りかかって Queenの「Love Of My Life」をものにしたり(すごくちゃんと歌うんですよ)、Micheal Jacksonの「Man In The Mirror」なんていう佳曲(忘れてた。マイケルもいい曲書いてたのね)も取り上げてくれてにんまり。ここら辺の80年代曲は彼女の幼少時のフェイバリットなんでしょうね。そしてちょっとポップな味付けな Aretha Franklin の「Chain Of Fools」。Chenoaの歌唱はもちろんその道うん十年の歌手とは比べられないかもしれませんが、行くとこ(アルトな地声も良)、抜くところ、かすれるところ、体がわかっています。ステージマナー含めて、キュートな初々しさと迫力のスペイン女が入替り出てくるような感じがします。これらは全て英語でカバーされていますが、スペイン語の彼女の持ち歌もすごく魅力的ですね。とにかく選曲の趣味が良いので、これからどういう歌を歌って行ってくれるか、大変たのしみです。

 スペインのポップスを何枚かまとめて聞いたのですが、どれも歌がうまいし、個性がある。この国だとアイドルは歌唱力免除ということは全くないようです。コンテンポラリな風俗に無理に左右されることもなくアメリンポップスのいい所の影響をスペインで受け継いでいるチェノア。ちょっと追っかけようという気になってます(情報求む!)。そうそう、このライブ盤、1曲終わるたびにブチュッと熱いキッスを耳元にもらえます。

(たかはしかつみ)





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