The Osmonds

The Proud One

2000 " The All-Time Greatest Hits Of The Osmond Family " Curb 77955/CD





 1970年、'60年代にR&Bの隆盛を極めていた Motown が少しかげり、サウンドに変化が見えた時に The Supremes のリード・ヴォーカリストの Diana Ross に「発掘」された兄弟グループ Jackson Five が「I Want You Back」、「ABC」、「The Love You Save」など続けてヒット曲を放ってころ、ラジオから耳に入ってきたのが「One Bad Apple」でした。歌ってるのがこちらも白人兄弟グループのThe Osmonds(The Osmond Brothers)と聞いて、中学生の頃見ていた当時としては貴重な洋楽番組だった「アンディ・ウィリアムス・ショー」(NHK)にレギュラー出演していた The Osmond Brothers と同一グループとは、と戸惑いを覚えたものです(同曲は当時 Clarence Carter のプロデュースで有名になった Rick Hall のプロデュースと知るのはこれも後日のこと)。


 その後、「One Bad Apple」があまりにも Jackson Five のエピコーゲンに聴かれたことを察知(?)したのか、次の「Love Me For A Reason」(Motown の Johnny Bristol らの作品) からはThe Osmonds のハーモニーを前面だしたサウンドに転換していきます。1975年の「The Proud One」は、ゆったりした軽快なバラードで聴いていて開放感があり、気持ちがよい作品です。Four Seasons の数々のヒット曲メーカー・コンビの Bob Gaudio-Bob Crewe の作品(これも後日に知りました)で、白人ソウルの歌のアレンジを手がけたらうってつけ(?)の Gene Page とプロデューサーの Mike Curb そして Micahel Lloyd が担当しています。アメリカのファミリー・グループ、兄弟グループならではの伝統的なハーモニー、コーラスが味わえます。
 The Osmondsといえば、グループとは別個に、ポップス・ファンならば Donny と Marie のソロ活動も忘れられません。Donny は、彼らのファンの親の世代におなじみの「Puppy Love」、「Twelvth Of Never」などのカバー曲(アレンジに Frank Sinatra などのアレンジで有名な Don Costa を起用)もおなじみですし、妹の Marie はカントリー系の Sonny James のプロデュースで「Paper Roses」などのヒット曲を放ちました。また、Donny & Marie でも「Morning Side Of The Mountain」、「I'm Leaving It All Up To You」などのカバー曲がヒットしました(このCDにはThe Osmondsのほとんどすべてのヒット曲が入っています)。
 The Osmonds は、1971〜1976年の間、アメリカのポップスの中でファミリー・グループとして不動の位置を示していただけでなく、Mike Curb や Michael Lloyd などのサウンドの職人たちの支えによって、アメリカの明るい兄弟コーラス・グループの魅力を味わえるグループでもあったと思います。

(伊東潔)





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