Carpenters

Medley

1973 " Now And Then " King/A&M GP-220 / LP





 ラジオから聞こえてくる洋楽に胸震わせていた少女の頃。近くに米軍の基地があったため、田舎でしたがFENを聴くチャンスに恵まれていました。意味のわからないナレーションにかぶさって流れる洋楽は、強く大きな国アメリカの象徴のようでした。中でも Carpenters は、わたしの中ではアメリカの「陽」の部分として印象づけられていた気がします。
 ヒットチャートに Carpenters の曲がエントリされていない週はないという時代でしたので、もっぱらシングルばかり聴きなじむ毎日でした。アルバムで聴くという体験はこの『Now And Then』が初めて。73年、中学3年生。お小遣いをためてようやくゲットです。


 真っ赤なアメ車がどどーんと前面に。まずこのジャケットだけで「大きなアメリカ」にひれ伏しましたね。このアルバムをひっぱりだすたびに思い出します(CDじゃ、こーはいかねえな)。B面ばかり聴いてたなあ。わたしの年代よりさらに10年以上さかのぼるオールディーズの時代を追体験するという時間は、それはもうぞくぞくするくらい魅力的で、何度も何度も繰り返して聴いて、一緒に歌っていました。Karen の発音の美しさにも憧れていましたっけ。
 コーラスワークの素晴らしさは、わたしがうんぬん言わずともみなさん百も承知ですよね。この兄妹の声の響き方は尋常じゃないです。お互いの音が響き合い、さらに深みを増していく。兄弟姉妹のコーラスグループは数々ありますけれど、永遠に評価されるふたりですね、きっと。
 "evergreen" という言葉は、彼らにこそふさわしいと確信してやみません。Karen の歌声を生で聴く機会にめぐり合えなかったことは悲しいけれど、ずっと忘れないでいられるようにこういう機会を神様が下さっているのかも知れません。わたしはこれからもずっと Carpenters を愛し続けていきますよ〜。

(なかのみどり)





Copyright (c) circustown.net