Seals & Crofts

We May Never Pass This Way(Again)

1975/1990 " Seals & Crofts' Greateast Hits " 3109-2/Warner Bros./CD





 達郎さんのライブの帰り道、車中で謝恩会の帰りでしょうか、花束に記念品を持った袴姿の女性を見ました。もう、そういう季節が巡ってきたんだなぁと感じました。最近では、これに「花粉症」で鼻がむずむずすると季節の移ろいを感じます(びろうな話ですいません)。この季節になると、卒業の思い出が皆さんの中にもよみがえるのではでしょうか。
 卒業にまつわる歌といえば、「仰げばとおとし」(今じゃ歌わないかしら)から「卒業写真」、「Graduation Day」、「贈る言葉」などを思い起こしますが、ポップス・ファンとって、忘れられない曲の一つに Seals & Crofts 1973年の「We May Never Pass This Way (Again)」があります。


 Seals & Crofts は、Peter & Gordon、Chad & Jeremy、Simon & Garfunkel などと並ぶ男性デュオとして、私たちの世代のポップス・ファンにはお馴染みです。当時は、America、 Carpenters、Bread などと並んでよく聴き、また愛着のあるグループでもあります。
 もう、ほとんどの方がご存知でしょうが、テキサス出身で「Tequila」の The Champs のメンバーでもあった Jim Seals(England Dan & John Ford Coley の Dan Seals は、実弟)と Dash Crofts が結成したデュオ。プロデューサーの Louie Shelton は、Jim Seals とともにThe Dawnbreakers を組んでいたことがあり、そのギタリストとしても有名です。また、ほとんどのセッションには Toto の David Hungate、Jeff Porcaro、 David Paich が参加しています。
 彼らの音楽は、「Summer Breeze」、「Diamond Girl」、「Unborn Child」、「Get Closer」などの数々のヒット曲でもおなじみです。特に、「Summer Breeze」はいろいろとカバーされて超がつくほどおなじみです。
 「We May Never Pass This Way (Again)」は、彼らの持ち味であるユニゾンの美しいハーモニーとメロディアスな歌で、別れの時(歌詞でも、あちらは、8月卒業ですから、「Love--Like The Autumn Sun」という言葉がでてきます)とそこから旅立ちの思いを、「Life」、「Love」、「Dream」、「Peace」をキーワードにした歌詞で綴っています。
 私の持ってる邦盤の「Unborn Child」の解説によると、Jim Seals の言葉として「この曲を卒業式の歌にしたいと100以上のハイスクールの卒業生から申込みがあった」ほど、歌詞といい、サウンドといい評判になったのです。彼らの持ち味である爽やかで、人生肯定的な歌が今は失われてるように感じられます(Bahaiという彼らの信仰した宗教も影響があるのかしら)。今、このような卒業式に歌われるポップ・ソングが見当たらないというのは、今がそういう歌を必要としない時代なのでしょうか。そう、男性デュエット自体も最近、あまり耳にしませんねぇ。(まぁ、日本では、Chemistry なんていますが)。

(伊東潔)





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