Cat Stevens

Morning Has Broken

1971/1994 " Teaser And The Firecat "
A&M/Universal-Island POCM-1973/CD





 シンガー・ソングライターという言葉をいつ頃から耳にするようになったのでしょうか。それは'70年代に入ってからのことではないでしょうか。まず思い浮かぶ名前はアメリカであれば Carole King、Melanie、Joni Mitchell、Laura Nyro、James Taylor など。またイギリスからは、Elton John、Al Stewart などといった人たちが思い浮かび、よく聴いていたことも思い出します。その中でもアメリカン・ポップスの宝庫 A&M からリリースされていた Cat Sevens は好きなシンガー・ソングライターの一人でした。
 Cat Stevens といえば、1971年に発表された『Teaser And The Firecat』は、ポップス・ファンならどなたでも好きなアルバムではないでしょうか。ご承知の方も多いと思いますが、元 The Yardbirds のベーシストだった Paul Samwell-Smith をプロデューサーに、ストリングス・アレンジャーに Del Newman を迎えて制作されました。


 「Morning Has Broken」は、「Moonshadow」に続いて大ヒットした曲で、ポップス・ファンなら誰でも知っている傑作と言っていいでしょう。Eleanor Farjeon(Shawn Colvin のクリスマス・アルバムのレビューでも触れた、日本にもファンの多い童話作家)の詞に Cat Stevens がメロディをつけた曲です。
 多くのシンガー・ソングライターの中でも彼がメロディ・メーカーとして特に優れているということは、前作の『Tea For The Tillerman』に収められている「Wild World」や「Sad Lisa」、「Father And Son」などにも伺えます。彼の声と優しいサウンドが聴く者を引き込まずにいられません。このアルバムも「Mornig Has Broken」を始めとして「The Wind」や「Rubylove」、「If I Laugh」など佳曲揃いで優しくそして暖かく、聴く者を包み込みます。
 その後、実は彼が'60年代後半に作曲家として The Tremeloes の「Here Comes My Baby」、 Linda Lewis の「(Remember The Days Of)The Old Schoolyard」などを提供していることを知りました。
 シンガー・ソングライターと聞くと、どうしても詞、ことばに重心が傾き、メロディにややもすると物足りなさを感じることもあるのですが、Cat Stevens はメロディ・メーカーとしても優れたシンガー・ソングライターだったと思います。
 現在彼は音楽活動から離れ宗教活動を行っていると耳にしています。ちなみにこのアルバムと前作のジャケットのイラストは彼自らの手になるものだそうで、微笑ましくっていいです。

(伊東潔)





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