Stephen Bishop

On and On

1976/1993 " Careless " ABC 954/LP MCA 10840/CD





 月明りの夜、懐かしい南の島を思い出したら、この優しいメロディを。
 「On and On」は 1976年にリリースされた Stephen Bishop のデビュー・アルバム『Careless』の冒頭を飾る曲。情感溢れるメロディと心地いいボーカルとギターの音色、ちょっとリラックスしたい時に聴きたいアルバムです。
 発売当時、こういったコンテンポラリーな音楽はまだ少なく、国内でも音楽雑誌等で 友人の Eric Clapton とのツーショットが掲載されたり、結構大きいプロモーションが行われ、このアルバムは好セールを記録しました。
 Stephen Bishop はソロ・デビュー以前にもソングライター、バック・ミュージシャンとして活動していました。AORの先駈けとなった Nick DeCaro『Italian Graffity』 (1974)に収録された「Under The Jamaican Moon」(後に Leah Kunkel もカバー)は彼が書いた作品。


 その他、Barbra Streisand や Bette Midler 、Chaka Khan 等にも作品を提供。バック・ミュージシャンとして友人を通して知り合った Art Garfunkel のアルバム『Breakaway』(1975) をはじめ、多くのアルバムにギターやコーラスで参加しています。
 この『Careless』はこれまで楽曲の提供を受けた人々や友人を中心に多くのミュージシャンが参加しています。バックコーラスに Art Garfunkel 、Leah Kunkel、Chaka Khan 、ギターに Larry Carlton、Andrew Gold、Eric Clapton、Lee Ritenour、Jay Graydon 、ドラムに Jim Gordon、Russ Kunkel .....といった面々。2曲目に収録されている「Never Letting Go」も胸詰まる切ない曲で、後に Phoebe Snow もこれを気に入りカバーしました。2000年6月に SSB でこのアルバムから雨の歌の「Save It for a Rainy Day」がオンエアされましたね。
 Stephen Bishop が書く曲はどれもしっとりとした情緒があり、映画の様に情景が浮んできます。映画そのものにも興味を示しており、映画『トッツィー』、『ホワイト・ナイツ』、『アニマル・ハウス』の音楽も手がけています。また俳優としても『ブルース・ブラザーズ』、『アニマル・ハウス』、『トワイライト・ゾーン』、『ケンタッキー・フライド・ムービー』等にも出演しているとのこと。
 セカンド・アルバム『Bish』もハリウッドに対する想いが込められており「映画」のワン・シーンを見るようなアルバムとなりました。

(富田英伸)





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