The Mamas & The Papas

Safe In My Garden

1968/1998 " The Mamas & The Papas Greatest Hits "
MCA MCAD-11740/CD





 The Mamas & The Papas のリーダー John Phillips が3月18日、享年66歳で亡くなりました。Cass Elliot が1974年に亡くなってから24年後のことでした。夕刊で死亡記事を見たとき、びっくりしたというのが偽らざる気持ちでした。加えて記事の末尾に書かれていた Mick Jaggar とのレコーディングが計画されていたということにも驚きを感じました。
 私の The Mamas & The Papas との出会いは、先の Jefferson Airplane の「Somebody To Love」のレビュー(書いている時にはまさか John Phillips が亡くなるとは思ってもみませんでした。)で触れているように、1967年で、初めて聴いたのはSSBで追悼として流れた「Twelve Thirty」でした。「California Dreamin'」や「Monday Monday」も後に知ったのでした。そして初めて買ったことで記憶に残っているのが John Phillips の作品「Safe In My Garden」なのです。この曲もそうですが、1967年〜68年頃から彼らの音楽に変化の兆しが表れたように感じられます。Cass Elliot と John Phillips がそれぞれソロ活動を始めたことも、そうした変化を一層感じさせたものです。


 1971年、ママ・パパは最後のアルバム『People Like Us』でバックに Ed Greene、 David T.Walker、Joe Sample、Jim Horn などを、オーケストラ・アレンジに Gene Page を迎えて新境地も模索しました。
 振り返って、The Mamas & The Papas の音楽、男女混声のコーラス・スタイルは、大仰に言えば私たち世代のポップス・ファンの聴き方の土台、素地の一部を作ってくれたと思うのです。その後ママ・パパの黒人版を目指したような The Fifth Dimension や同じ Bones Howe がプロデュースした The Association などのようにコーラス、ハーモニーの爽やかさや暖かさを基本としたグループを好きになり、70年代にかけては、Carpenters、 America、Seals & Crofts などを好きになる流れを引いてくれたのもママ・パパと言えるかもしれません。
 思い出話に終始した文章になってしまいお恥ずかしい限りですが、これからも私にとって彼らの音楽はいつも手許にある、音楽の宝物として愛聴し続けていくと思います。

(伊東潔)




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