Nina Gordon

Number One Camera

2000 " Tonight And The Rest Of My Life " Warner WPCR-1076/CD





 決して目新しいサウンドではないのに耳がそちらへ向いてしまうことって、どなたにもあるのではないでしょうか。そのことを思ったのは、最近、聴いたこのCDなのです。
 Nina Gordon ……私は、初めて聞く女性シンガーの名前です。CDの解説によると、オルタナっぽいポップ・ロック・グループの Veruca Salt のヴォーカリストで、このCDがソロ・デビュー作。参加メンバーも Veruca Salt のメンバー、プロデューサーの Bob Rock(この人も初耳でした。Metallica などのプロデュースをしたとのこと)、そして彼女が Aimee Mann が好きなことから(?) Jon Brion(このごろ、よく耳にするミュージシャン、映画「マグノリア」……余談ですが、今年、私が見た映画のベスト3に入る作品です……の音楽も担当)の名前が見受けられます。

 ところで、Nina Gordon ですが、このデビュー作では、大有名曲の「The End Of The World」を除いてすべて自作で、バラエティに富んだ歌を聴くことができます。


そう、アメリカン・ポップスの正統(というものがもしあれば)的な音楽を受け継いでいるといっては大袈裟かもしれませんが、そのような感じもするのです。中でも「Number One Camera」は、Go-Go's 等のガール・グループの音を彷彿させる、ハンドクラッピングを織り交ぜた歯切れのよいストレートなロックン・ロールに仕上がっていて、好きです。ただ、アコースティックな曲になると似たような雰囲気になり、少し平板になることが気になります。しかしメロディ・メーカーとしてのセンスは、天は二物を与えたのではないか(ジャケットをみると美形?)と思ってしまいます。昨年の Cibo Matto と同じように今年の愛聴盤の1枚になりそうです。
 余談ですが、彼女の好きなCDとして、Joni Mitchell の『Blue』、Beatles の『Abbey Road』、Beach Boys の『Pet Sounds』、Wendy&Lisa の『Eroica』などを挙げ、好きなミュージシャンとして、Madonna、Bjork、Aimee Mann なども挙げています。

(伊東潔)




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