Leiber & Stoller,
Dr. John and All Stars

Yakety Yak - Take It Back -

1991 Take It Back / Atlantic 7 86044-2 Single CD





 Leiber & Stoller の名作「Yakety Yak」の珍品カバーを紹介しましょう。
 もともとの「Yakety Yak」は Coasters が1958年に Atlantic から発表した作品で、Leiber & Stoller と Coasters、互いの最高傑作の一つと数えらます。2重唱のヴォーカルは実に嬉しそうに歌っていて、演奏はスタジオの活気がそのままパックされたよう。おかげで歌詞がわからなくても楽しめるし、Leiber & Stoller のプロデュース・ワークの質の高さまでぐっと想像されてしまうんです。さらに歌詞はといえば、「ガラクタは片付けたの」とか「床磨きは終わったの」とかいうまるでママにしかられているような内容。「さもないとロックンロールできないわよ、Yakety Yak! 口答えするんじゃありません (Don't Talk Back)。」
 さて、前置きが長くなりましたが、今回紹介するのは1991年に発表されたカバー曲「Yakety Yak - Take It Back -」です。この曲は TAKE IT BACK FOUNDATION という団体がリサイクル運動を広めるために企画されたもので、"RECYCLE, REDUCE(ごみを減らそう), REUSE(再利用), BUY RECYCLED(リサイクル品を買おう)" を標語に具体的なリサイクル活動の進め方をアピールしています。ちなみに筆者がこの考え方を理解したのもこれからでした。CD もためになるね。


 歌うは Stevie Wonder、B.B. King、Charlie Daniels、Ozzy Osbourne、Randy Newman 等々のジャンルを超えた豪華キャスト。Dr. John が Yakety Yak の役をしていて、ピタリはまっています。曲は Dr. のあやしげなピアノにあわせたラップ調のものに、Jerry Leiber の書き下ろしの歌詞は、原詩のイメージと韻を活かしながらリサイクルを訴える内容になっています。「紙屑を捨てよう」が「紙屑をひろいだそう」といった感じ。この曲自体もリサイクルされちゃってるんですね。このシングル CD はアーチストからのメッセージも含めて26トラックも収録されているのですが、そこで Bette Midler に投げ捨てしたら追っかけてくわよと脅されたり、Barry White のあのド低い声でリサイクルしろとやられるとビビります。90年代のエコロジカルな Yakety Yak でした。
参加アーチスト

Bugs Bunny, Pat Benatar, Natalie Cole, Charlie Daniels, Lita Ford, Dr. John, Quincy Jones, B.B. King, Queen Latifah, Kenny Loggins, Leiber & Stoller, M.C. Skat Kat, Bette Midler, Randy Newman, Tibi, Tone Loc, Ozzy Osbourne, Brenda Russell, Al B. Sure!, Ricky Van Shelton, Barry White, Stevie Wonder, Yakety Yak

(たかはしかつみ)





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