The Four Seasons

Walk Like a Man

1963 Vee-Jay 485 Single
Re-Issue " BIG GIRLS DON'T CRY AND 12 OTHER HITS " CURB 77696





 『中学生のころ、「Rag Doll」や「Walk Like a Man」、「Candy Girl」といった Four Seasons のヒット曲は僕らの生活の大部分だったんだ。いつも歌の主人公たちは女の子のために人生を投げ出さなきゃならないんだけど、曲の最後にはハッピーエンドになれるんだ。Frankie Valli は女の子に出会うたびに困難の壁と戦ってくれているみたいだった。だからうまく行かないデートの時も、カーラジオから彼らの曲が流れると、最高だったんだ。』
 これは Billy Joel が自身の名曲「Uptown Girl」について語ったコメントです(『Innocent Man』の日本盤ライナーに所収)。「Uptown Girl」というとフォーシーズンズ的な曲の代表格。気がつくとフォーシーズン的な音楽は広く長く親しまれてきたと思います。その魅力を考えたいと思います。


 筆者の考える Four Seasons の音楽の魅力のツボは、歌詞、リズム感、それに裏声の3点セット、ということになります。その3点セットがコンパクトにまとまったのが「Walk Lile a Man」。
 本作のテーマは「男らしくがんばる」。ひどい仕打ちも、かなわぬ恋も、ポジティブにポジティブに。この曲には「恋のハリキリボーイ」という名邦題がついていますが、主人公は「ハリキリ」と「やせがまん」(これは前作「Big Girls Don't Cry」の邦題に使われていましたね)の間で踏ん張っていた感じがします。

 続いてサウンドです。この「Walk Lile a Man」は彼らの持ち味がうまく表現されています。筆者は「階段のトコトコ歩きリズム」(長い)と呼んでいます。「Big Girls Don't Cry」,「Marlena」,「Opus 17」なども同系統ですが、のどかさで秀でたのが本作です。
 Four Seasons のサウンドはスペクター風あり、Joe Meek の「Telstar」風あり、ディスコもありと色々やってくれていて(笑い)、個人的には評価が難しいと感じる部分もあるのですが、確固としてあるサウンドのオリジナリティーの核の一つはこのトコトコリズムだと思います。好きだなぁ。3つめの裏声に関してはいうまでもありませんね。以上まとめて3点セットお届けしました。
 冒頭に書いた Billy Joel の「Uptown Girl」(1983) は直系の孝行息子。日本にも家族がいますよね、KAN の「愛は勝つ」(1990)なんて素敵な孫じゃないかしら。どちらもポジティブな歌詞と心地よいリズム感で Four Seasons をうまくとらえています。
 最後に紹介したいのが、彼らのファンページ Institute of Seasonology フォーシーズンズ学協会とでも訳すんですかねえ。本特集のためにジャケット写真の提供を依頼したところ快諾をいただきました。

(たかはしかつみ)





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