Jonatha Brooke

Crumbs

1997 " 10¢ Wings " Rufuge/MCA MVCE-24108/CD





 シンガー・ソングライターに弱い。
 1990年代に入ってもお気に入りのCDを見ると、シンガー・ソングライターのものが多い。Jill Sobule、Ani Defranco、Shawn Calvin、Ron Sexsmith、Duncan Sheik 最近では2枚目を発表した Fiona Apple と。純然たるシンガー、ヴォーカリストよりシンガー・ソングライターに耳がいってしまう。1970年代にシンガー・ソングライターの音楽を体に多く摂取(?)しすぎた影響、後遺症なのかしら?
 その一人に Jonatha Brooke がいます。彼女の名前を知ったのは、1995年に発表された「Plumb」で、第一印象としてその声質に惹かれました(前述したシンガー・ソングライターにも言えますが)。プロフィールを読むと、ソロ以前、Jennifer Kimball (Emmylous Harris、Linda Ronstadt、Dolly Purton の『Trio II』で彼女の作品「Blue Train」が取り上げられていた)とデュエットを組み The Story として2枚のアルバムを発表しましたが、それが辣腕プロデューサーの Tommy LiPuma の耳に止まり、ソロ・デビューのきっかけになりました。


 1997年に2枚目の『10¢ Wings』を前作同様、夫君の Alain Mallet のプロデュース、ミキサーに Hall&Oates や最近では Six Pence、None The Richer などのミックスで有名な Bob Clearmountain を迎えてリリースされました。
 「Crumbs」は、タイトなドラムとエッジ感のあるギターにのって緊張感のあるドラマチックな歌の世界を聴かせてくれます。アルバム全体を通して、前作にないいろいろな試みが耳に残ります。それに加えて、Simply Red の屋敷豪太、Fiona Apple などのセッションに参加している Jon Brion などもレコーディングに参加しています。

(伊東潔)




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