The Scaffold

Lily the Pink

1968 "L the P" PARLOPHONE PCS 7077 / LP





初笑いを一曲

 ♪ 桃、桃、桃色百合が姫
 ♪ 姫が人類救世主
 ♪ 飲も、飲も、姫が妙薬を
 ♪ 人類万病皆快気

 古今数あるヒット曲の中で、筆者が最高級にくだらないと認めるのが Scaffold の「Lily the Pink」。メガネドラッグとかヨドバシカメラの宣伝と余り変わらないような曲なのですがクセになります。しかも聞けば最低半日はサビの♪To Lily the Pink the Pink the Pink♪のフレーズが頭の中でオートリピートできるオマケ付き。

 曲はくだらなさを押し殺したような鉄琴イントロで始まります。続いて軽快なスネアドラムのマーチに乗って、詩人、有名人の弟にエンジニアという変な3人の男達が登場。歌うはリリー姫の妙薬が救った奇跡の数々です。対人恐怖に拒食症、どもり、そばかすの悩み解消。誇大妄想癖の人はローマ皇帝に、足の悪い人もムカデになっちゃいました。


 くだらなさは曲だけではありません。この曲は1968年のクリスマスにナント5週連続の英国チャートNo.1を記録。さすが、かの国はくだらなさも違う!(「Hey Jude」はたった3週止まり。ちなみにリリーを6週目にトップから蹴落としたのは Marmalade というグループの「Ob-La-Di,Ob-La-Da」のそのまんまコピーしたシングルというのもちょっとくだらない。)
 紹介が遅れましたが、Scaffold は詩人 Roger McGough(格好は詩人に見える)、Paul McCartney の弟 Mike McGear(歌がクサい)、エンジニア John Gorman(勤めは英国旧 General Post Office。電話局技師?堅い)の3人組。63年付近に Beatles と同じイングランドのリヴァプールで結成されました。66年から74年までに10枚程のシングルを発表し、時たまアルバムも残しています。68年の「Lily the Pink」の他に、67年に 「Thank U Very Much」のヒットがあります。メンバーはその後 Bonzo Dog Band の Neil Innes らと合体し、Grimms としての活動も行いました。

 なおこの曲「Lily the Pink」はラグビーの応援歌として伝わったものを Scaffold がアレンジしたそうです。ゲストには Jack Bruce、Graham Nash、に若き日の Elton John、おまけに Ringo Starr のバスドラム(兄に借りてもらったか?)が参加しているらしいがよくわからない。
 掲載した写真は当時ヒットの調子に乗って出した『Scaffold L the P』といういかにもなタイトルのアルバム。A面はそれなりの曲を7曲収録、B面はロンドン大学の学生を前にした詩の朗読と漫談のライブ。エッシャーのだまし絵のジャケットがひきますが、内容は手強い(笑い)です。この曲は1998年に英EMIから出たベスト盤CD『The Scaffold at Abbey Road 1966-1971』 (EMI 496435)で聞くことができます。EMIから出た後も多少ヒットがありますが、コンプリートを目指さなければこれでまあよいのではと思います。それとロックの歴史ビデオにこの曲が入っていることがあります。篤志家の方は是非・・音に劣らずくだらないです・・・

 リリーは薬の効き目に自信を持ったか溺れたのか、自分で妙薬を試します。その結果は・・・・

 ♪ We'll drink-a-drink-a-drink
 ♪ To Lily the Pink the Pink the Pink
 ♪ The saviour of the human race .....

(たかはしかつみ)


ドイツ盤シングル Odeon O 23 962



Copyright (c) circustown.net