Cibo Matto

Flowers

1999 "Stereo Type A" Warner WPCR-10332/CD





 Cibo Matto というニューヨーク在住の日本人女性デュオ(といっても Sean Lennon を含む3人のバックを含めたグループと言った方がいい)については、名前は耳にしていましたが、このCDが初めてという新参者です。
 情報として入ってくるものにニッティング・ファクトリー関係のミュージシャン、ビースティ・ボーイズやチャド・ブレイクといった人たちとの関連で、小うるさい(?)音をイメージしていましたが、聴いてみてなんともポップなアルバムに仕上がっているのに嬉しくなりました。
 中でも「Flowers」「Moonchild」などはすぐに口ずさんでしまえるほどに、彼らのメロディ・メーカーとしてのセンスの良さを感じます。

 このアルバムには収められていませんが、「Vamos A La Playa」(シングル「Working For Vacation」のカップリング)のように「宅録」風のからっとした持ち味も持っていて、変に日本人を意識せずに英語で歌い、ラップしているところにも不自然さがなくて耳に心地よいのです。


 そんな Cibo Matto のライブを赤坂 BLITZ(10月15日)で見てきました。正味1時間半(前座がしょぼい女性2人組で60年代風のガール・グループっぽいコーラスが目玉かな)のライブでしたが、羽鳥美保のヴォーカルとラップを中心にサウンド的にはちょっとチープながら、ヒップホップ、ハード・ロック、ラテンなどの良いところを彼女たち流のスタイルで聴かせ、聴衆を楽しませてくれました。
 ニューヨークという人種のるつぼ以上に音のるつぼの中から生まれてきたというのは言いすぎでしょうか。しかし、そういう匂いを感させる瞬間もあったことを付け加えておきたいと思います。

(伊東潔)




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