Champaign

How 'Bout Us

1981 "How 'Bout Us" Sony SRCS 6123/CD





 摩天楼に降りてくる夜の帳を感じ始める頃。暮れなずむきらびやかな街角をゆっくりと行き交う人波。文字通り極上のシャンパンのように胸一杯に広がるメロディーはこれから始まる夜を心地よく演出してくれる週末のハーモニーです。
 Champaign はイリノイ州シャンパン市出身の、ヴォーカル・イントゥルメンタル・グループ。グループ名は彼らのホームタウンからとられたようです。メンバーは Paulie Carman (vo)、Rena Jones (vo)、Haward Reeder (g,vo)、Michael Day (key,g,vo)、Dana Walden (key,synth)、Rocky Maffit (perc,vo)、Michael Reed (b) という白人・黒人混合の7 人組。二人のリード・ヴォーカルを軸にポップでメロウなコーラス・ワークを展開しています。
 そんな彼らのデビュー・アルバムであるとともに、今もって彼らの最高傑作とも言えるのが本作です。プロデュースを担当したのは、80年代以降の The Manhattans や Tyrone Davis のプロデューサーとしても有名な Leo Graham。


 彼のプロデュースによって絶妙のコーラスがうまくサウンドに溶け込んでいます。とりわけスウィートなのがリード・ヴォーカル Paulie Carman のハイトーン・ヴォイスが美しい、タイトル曲の「How 'Bout Us」です。この曲は全米12位まで上がる大ヒットとなり、まさに彼らの代表作と言えます。
 しかし、彼らの魅力はそれだけではなく、バンド・アンサンブルを活かしたタイトなアレンジ、ギター・ソロやシンセのユニークなフレーズなどヴォーカル・インスト・グループとしてもかなりの実力派です。「Party People」や「I'm On Fire」では緊張感溢れる演奏とヴォーカルが渡りあっていきます。
 この後彼らは、83年にアルバム『Modern Heart』から「Try Again」を翌84年に『Woman In Flames』から「Off And On Love」を R&Bチャートに送り込みますが、その後は目立った活動もなく、91年にマラコに移籍して1枚アルバムを作っていますが現在は活動を停止しているようです。

(脇元和征)





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