Bob Crewe と Frank Slay

 Bob Crewe は1931年、ニュー・ジャージー生まれ。持ち前のルックスの良さと優しい声を生かして、モデル業、歌手として舞台に立っていたと言われています。1953年に、テキサス出身の Frank Slay という男が自分の作った曲を歌ってくれるデモ歌手を探しており、2人は運命的に知り合うことになり、1954年、JUBILEEで " Cash Register " という曲を吹込んでいます。
 しかし一説によると1953年に、フィラデルフィアのマイナー・レーベル BBS というところで Frank Slay との合作でレコードを出していたということですが、いずれにせよ、その時は殆ど話題にはならなかったとのこと。
 そして、1956年には、 Crewe と Slay は2人で作った曲を、Doo-Wop スタイルの黒人グループ、 Rays に歌わせ、2人はそのレコードのプロデュースを行い、翌年には2人のレーベル、XYZ を設立いたしました。当時としては、レーベル・プロデューサーは珍しいことだったらしく、他には Leiber and Stoller など数人程で、 Phil Spector が登場するのはまだ先のことです。

Rays
若き日の Bob Crewe

 
翌1957年に Crewe と Slay が作り、 Rays の歌った " Silhouettes " が大ヒット。その後、 Billy & Lillie " La-Di-Da "、Freddy Cannon " Tarllahassee Lassie "、" Way Down Yonder In New Orlean " を共同プロデュースしました。
 この後、2人はコンビを解消し、Slay は SWANレコードの専属プロデューサに、Crewe は何故か音楽から離れ映画俳優の道を進もうとします(ルックスがいいですもんね)が、これはうまく行きませんでした。1961年には、この世界に戻ってきて歌手として Warwick からレコードを出します。ちなみに Strawberry Alarm Clock を見出したのは、この Frank Slay 。
 1962年に Bob Crewe はプロデュース稼業に戻り、あの Four Seasons を手掛け、ここからあの怒涛の快進撃が始まることになります。




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