達郎書き起こしプロジェクト by ロック軍曹とサーカスタウン

2002/7/28 Sunday Song Book「Bruce Johnston特集(2)」



山下達郎/踊ろよ、フィッシュ 1988『僕の中の少年』*1
(BGM)Bruce Johnston/Do The Surfer Stomp 1962 *2
The Sidewalk Surfers/Fun Last Summer 1965 *2,3
Mike Clifford/Don't Make Her Cry 1965 *2,4
Bob Sled And The Toboggans/Here We Go(The Surfer Boys Are Going Skiing) 1966
*2,5
Bruce & Terry/Don't Run Away 1966 *2,6
The Beach Boys/The Nearest Faraway Place 1969『20/20』*2,7
The Beach Boys/Tears In The Morning 1970『Sunflower』*2,8
The Beach Boys/Disney Girls 1971『Surf's Up』*2,8
Barry Manilow/I Write The Songs 1975『Tryin' To Get The
Feeling』*2,9
The Beach Boys/Endless Harmoney 1980『Keepin' The Summer Alive』*2,8

*1 アルバム・バージョン
*2 Bruce Johnston作曲
*3 Bruce Johnston自身が歌う幽霊グループ。シングル一枚のみ。Jubileeレーベ
ルより。作詞もBruce Johnston。
*4 West Coastのシンガー兼俳優。United Artistレーベル。Jack Gold(United
ArtistのA&R)のプロデュース。アレンジはDon Costa。作詞もBruce Johnston

*5 Bruce Johnston自身が歌う幽霊グループ。Cameoレーベル。DrumsはHal
Blaine。
*6 Bruce JohnstonとTerry Melcherによるユニット。達郎氏はこのシングルが手
に入らなかった腹いせに「Only With You」を作ったとのこと。Mike Loveとの
共作。
*7 Beach BoysにおけるBruce Johnston単独の作曲作品。Bruce Johnstonのエレ
クトリック・ピアノのフィーチャーしたインスト曲。
*8 Beach Boysのメンバー時の作品。Bruce Johnston作詞&ボーカル。
*9 作詞もBruce Johnston。全米No.1ヒット。1975年グラミー賞ソング・オブ・ジ
・イヤー。


一節
The Nearest Faraway Place

内容

・Rarities

「ニュー・アルバムの準備でスタジオに入ったところが、レコード会社から『景
気が悪いので秋口に何か出してくれ』と、そういうものが来ましてね。どこもレ
コード会社はおんなじであります。私もニュー・アルバムを来年の前半に出す予
定で制作をしておりますので、半年ぐらい空くので、じゃあその間に一枚あって
もいいじゃないかということで。先週もちょっと申し上げましたが、いわゆるB
面コレクション。今まで私もMoonレーベル/Warnerに所属しまして来年で20年に
なりますので、沢山シングルを出しております。その間にシングルのカップリン
グとして出したはいいけどアルバムに入らなくて、ほとんど最近お蔵状態になっ
ている作品が沢山ありますので、そういうのを集めてもCD一枚分ぐらい直ぐでき
てしまうので、じゃあそういうので行ってみようと。タイトル決まりました。『
Rarities』そのままズバリですね。レアな音源を集めたのでレアリティーズ。も
う古くは85年の「風の回廊」、そして80年代「Get Back In Love」、90年代に
入ると「さよなら夏の日」「いつか晴れた日に」、そしてシングルを出した時に
カップリングに入れたいろんな曲があります。一応10月30日発売予定であります
。若干前後するかも知れませんが、その辺の発売日でやりたいと思います。沢山
音源がありますが、なるべくスタジオレコーディングを中心に編成して、でもも
うすぐ60分70分行ってしまいますので。そうしたシングルのカップリングB面コ
レクション・プラス、未発表の音源、洋楽邦楽(のカバー?)、そして人に書いた
曲のセルフカバーなどは実は結構レコーディングがありますので、そういう物を
集めまして『Rarities』というタイトルで10月30日発売の予定でございます。ま
たより詳細な情報が出ましたら、またこの番組で逐一ご報告してまいりたいと思
います。」

・Bruce Johnston特集

♪ (BGM) Do The Surfer Stomp

「先週はRip ChordsからPat Booneまでお聞きいただきましたが、Bruce
Johnstonが最も精力的に活動したのが、1963年から65年、この時期が作品の数も
プロデュースした数も一番多い時期です。Terry MelcherとBruce Johnstonの二
人で組みまして、Rip Chords、Bruce & Terry、Hot Doggers、Kustom Kings、
Rogues、Bob Sled & Toboggans、Catalinas、いろんなグループがありまして
、ある物は幽霊グループ、ある物は実際にメンバー集めて、いろんな名前でいろ
んなレーベルからいろんな曲を出しました。精力的に活動を続けていた時期であ
ります。20代の前半。一生懸命働いていた頃ですが、そんな中から2曲ほど。ま
ずはBruce Johnston自身が歌う幽霊グループThe Sidewalk Surfersの1965年の
1枚だけのシングル。そして作曲家として曲が売れるようになりまして、ちょっ
とですけど。そんな中の1曲。」

♪ Fun Last Summer
♪ Don't Make Her Cry

「もう1曲Bruce Johnstonの幽霊グループから。Bob Sled & The Toboggansと
いう名前で、歌っているのは勿論Bruce Johnston。典型的なSurfin' & Hot Rod
の曲で、先週今週といわゆる「ザ・サーフィン」というサーフィン物がありませ
んので、そういうのが一曲ぐらいあった方がいいんじゃないかと。そして60年代
中期、Rip Chordsの成功を受けまして、Bruce JohnstonとTerry Melcherが二
人で組みましたユニット、その名もBruce & Terry。2曲ほど1964年にヒットが
出ますが、それもBillboardの100に引っかかる程度で大したヒットじゃなかった
でしたが、Bruce & Terry名義では沢山作品を作りました。そんな中から最高傑
作を1曲。この曲は私、20代の中頃にとあるコレクターの人からカセットで聞か
せてもらい、死ぬほど好きな1曲だったんですけど、70年代から80年代にかけて
の時代はですね、こうした洋楽オールディーズのシングルはあってもとっても高
くて、本当に手に入りにくいものだったんですけど。長いこと欲しかったんです
けど手に入らなくて。あんまり手に入らなくて段々段々腹が立ってきまして。80
年代の頭頃に、そんなに手に入らないんだったら自分でおんなじ様な曲を作ろう
と思いまして。1984年の『Big Wave』にこのレコードが手に入らない腹いせで、
せめてもの慰めに作りました。その曲がこのSSBのテーマで流れています「Only
With You」という1曲です。これの元ネタであります。今のハンチクな若いレコ
ードコレクターに言わせると「あっこれパクリだ」。違うんです。この曲が欲し
くて手に入らなかったから一生懸命作ったんですよ、その曲を(笑)。この純粋さ
、聞いてやってください。」

♪ Here We Go
♪ Don't Run Away

「珍しくMike Loveとの共作ですが、1966年はBeach Boysのメンバーでしたので
Mike Loveが登場する訳です。転調の段取りは「Only With You」の方がちょっ
とだけ、いいかな?自分で自画自賛しちゃったりして(笑)。なんてことはどうで
もいい。1965年、Bruce Johnstonは皆様もよくご存知の様に、Beach Boysのメ
ンバーとしてツアーに呼ばれて参加するようになります。今までお聞きいただけ
ればお解かりの通り、スタジオにも非常に習熟している人なので、次第にBeach
Boysのスタジオのレコーディングにも参加するようになりまして、正式メンバー
になっていく訳であります。曲作りにも少しずつ少しずつ参加します。1969年『
20/20』で初めてBruce Johnston単独で作曲した作品がレコードに登場します。
この先、アルバム1枚に1曲ないし2曲ぐらいBruce Johnston作品が採用されま
すが、それがどれも69年70年71年と珠玉の名作が続きます。この辺から我々10代
のBeach Boysファンが「Bruce Johnstonっていい曲書くな」と。Bruce
Johnstonの本当に意味でのメロディーメイカーとしての才能が開花する60年代の
終わりのそのとっかかりです。一番最初にBeach Boysのアルバムに登場した
Bruce Johnston単独作品はインストゥルメンタルです。元々は歌が入る予定でし
たが、結局はインストゥルメンタルとしてBruce Johnstonのエレクトリック・ピ
アノが美しい。」

♪ The Nearest Faraway Place

「♪〜こういうハリウッドのコードが出てきますが。ここから先数年間はBeach
Boys名義ですばらしい作品が出てきます。」

「先週のDoris Day「Falling」ですが、1960年のレコーディングですがやはり
1962年のリリースでした。1962年の「Lover Come Back」というシングルのB面
です。いわゆるストックです。」

「いよいよBruce Johnstonらしいメロディが出てまいります。1970年のBeach
Boysのどん底の時代のアルバムですが、曲は珠玉の名曲が目白押し。その中のB
面1曲目に入っていますBruce Johnston作詞作曲の1作。そして1971年の名作
『Surf's Up』、沢山のカバーがありますがBruce Johnstonの中でも1,2位を争
う名曲。」

♪ Tears In The Morning
♪ Disney Girls

「どちらもBruce Johnstonの作詞作曲そしてボーカル。珠玉の名曲ですが、どち
らもワルツというのがなかなか面白い。この『Surf's Up』でBruce Johnstonは
Beach Boysを一旦脱退します。そして78年『LA(Light Album)』でまた戻ってメ
ンバーになります。その間はまたTerry Melcherとくっ付きましてEquinox
Productionという自分達の独立したプロダクションを作って、California
Musicなってグループを作りまして活動をやっておりますが。今日はそれに触れ
ることはできません。作曲家としての側面を中心で行きますので。次の機会とい
うことになります。その間にしかし、1975年にBruce Johnstonの生涯最大のヒ
ットが生まれます。歌っているのはBarry Manilow。この年のグラミー賞のSong
Of The Yearを獲得しました。全米No.1。」

♪ I Write The Songs

「という訳で駆け足で2週間お届けいたしました。主に作曲家としてのBruce
Johnstonにスポットを当てました。従いましてBeach Boysを辞めまして70年代
に結成したCalifornia Musicというグループ、そして1977年に出しました彼の
ソロアルバム『Going Public』、そうした物に今回は全く触れずしまいでした。
それは次の機会に、来年の夏ぐらいに「Bruce Johnston特集Part3」(笑)でもや
ってみたいと思っております。」

「最後は何にしようかと考えましたが、この曲が一番いいかなと思いました。元
々は1972年にBeach Boysのセッションで録音されたと言われています。1974年
にCalifornia Musicで録音され、Beach Boysに復帰して1980年『Keepin' The
Summer Alive』。あんまり評判の良くないアルバムなんですけど、僕はすっごく
愛着があります。「Ride On Time」の年にこればっかり聞いていた記憶がありま
すが。これの一番最後に入っています。すっばらしいハーモニー。これで今回の
Bruce Johnston特集はおしまい。」

♪ Endless Harmoney

今後の予定

・8/4は「納涼リクエスト大会」
・8月末には竹内まりやさんを迎えて「納涼夫婦放談」
・次回の「わがリク」は秋口の予定。


circustown.net による放送書き起こしです。文責 circustown.net。抜け誤りはお知らせください。


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