達郎書き起こしプロジェクト by ロック軍曹とサーカスタウン

2002/6/16 Sunday Song Book「棚からひとつかみ Philadelphia Soul編」



The Stylistics/You're As Right As Rain 1972『Round 2』*1
Teddy Pendergrass/Do Me 1979『Teddy』*2,3
The Finishing Touch/Second Best(Is Never Good Enough) 1974 *4
The Mellow Moods/Inspirational Pleasure 1973 *5
The Intruders/I Wanna Know Your Name 1973『Save The Children』*6
Ghetto Children/I Just Gotta Find Someone To Love Me 1973 *7
The Spinners/(Do It, Do It)No One Does It Better 1979 from Soundtrack『The
Fish That Saved Pittsburgh』*8
Teddy Pendergrass/Come Go With Me 1979『Teddy』*2,9

*1 セカンドアルバム。
*2 元Harold Melvin & Blue Notesのリードシンガー。1976年にソロに独立。
DetroitのMarvin Gayeに匹敵するPhiladelphiaのSex Symbol。
1982年に交通事故でリタイヤ。
*3 「ドリフのひげダンス」の元ネタ。
*4 男性3人組ボーカルグループ。リードボーカルはCharles Mack。
Thom Bellが1968年に設立したPhilly Grooveレーベルに残した2枚のシングルの
内の一つ。
作曲はNorman Harris (Sigma Soundのギタリスト、作曲家、プロデューサ)。
*5 女性ボーカルグループ。シングルB面曲。以前A面曲をかけたとのこと。
Kenny Gambleが作ったGambleレーベルより。
*6 60年代後期Philadelphiaを代表する4人組ボーカルグループ。
シングルカットして全米ソウルチャート9位。
作詞/作曲/プロデュースGamble & Huff。アレンジNorman Harris。
演奏MFSB。スタジオはSigma Sound。エンジニアはJoe Tarsia。
*7 無名のボーカルグループがColumbiaに残したシングル。
今回のために桜井ユタカ氏から借りた一枚とのこと。
作曲はVince Montana (MFSBのVibe奏者)。
*8 全曲Thom Bellがプロデュース/作曲/アレンジした映画のサントラより。
Thom Bellとしては異色のワンコード物。
*9 アルバム1曲目。達郎氏曰く「ナンパを題材にした曲では史上最高の一作だと思
う。」

一節
TSOP(ソウルトレインのテーマ)

内容

・近況

「いよいよ私、ニューアルバムの曲書きを本格的に始めております。後はスタジ
オもお陰様で改装工事が出来上がりましたので、もうすぐスタジオもオープンし
ます。またスタジオ仕事に戻ってまいります。一刻も早くニューアルバムのレコ
ーディングに取り掛かって完成させたいと思っておりますが、まだ必死に曲書き
の毎日です。」

・棚つかの前置き(長ぇー)

「先日は「棚つかChicago Soul編」なんていうのをやりましてご好評をいただき
ました。今回は調子に乗ってその続編。Pennsylvania州Philadelphia。東海岸で
すが、古くから音楽、特にR&Bが盛んな土地。50年代はDoo Wop、60年代はCameo/
Parkway、これはダンスミュージックで、文字通り一世を風靡しましたが今は影も
形もありません。一番有名なのがChubby Checkerの「The Twist」。Frankie
Avalon, Orlons, Dee Dee Sharp、いろんな人が様々なダンスミュージックを展
開いたしました。60年代から沢山のプロデューサ、作曲家、アレンジャー、ミュ
ージシャンを輩出いたしました。そういうものが段々一つの流れにまとまってき
ます。そうした60年代のスタッフの中から、Kenny Gamble。彼はプロデューサ、
作曲家、歌手でもあります。そしてLeon Huff。彼はピアニスト、作曲家、プロデ
ューサ。この二人がGamble & Huffというコンビを組みまして、1970年に
Philadelphia Internationalという会社を発足させます。それに加わってまいり
ますのが別口で、Thom BellというPhiladelphiaで古くから活躍していた作曲家
、アレンジャー、プロデューサ。この3人が組みましてPhiladelphia
Internationalというのを1970年に立ち上げました。これが60年代のDetroitの
Motownとか南部のMemphisのStaxとか、そういうものと匹敵する、あるいはそれ
以上の成功を収めました。70年はブラックミュージックといえばPhiladelphia
Sound、Philly Sound、Philly Soul、Philly Groove、いろんな呼び方をされま
す。Philadelphiaはそうしたブラックミュージックシーン、ソウルシーンに無く
てはならない存在になります。全てGamble & HuffとThom Bell、この3人、それ
とこの人たちと行動を供にする多くのスタジオミュージシャン、作曲家、そして
スタジオ、Sigma Soundというあまりにも有名なスタジオがありますが、そこで
のエンジニア、Sigma Soundの数ブロック先にはPhiladelphia Symphonyの練習
場がありまして、そこからバイトでやってくるストリングスやブラスのミュージ
シャン、そうしたミュージシャンを含めて一大コングロマリットが70年代で形成
されます。そういうものを総称してPhilly Soulといいますです。そういう訳で
ちょっと前置きが長くなりましたが、今日はPhilly Soulのいいところをピック
アップしまして、Philly Soulで棚からひとつかみ。」

・Philly Dancer

「私の番組でもそうですけど、Philadelphia Soulというとメローなバラード主
体のものに思われがちですが、実は先ほども申しました通り60年代の
Philadelphiaはダンスミュージックのメッカですので、アップテンポの曲にもす
ごく良いものが多いです。そういうものをPhilly Groove、Philly Dancer、イギ
リスではアップテンポのR&Bの総称としてNorthern Soulなどと呼ばれています。
そうしたものの中核がPhiladelphiaのこうしたアップテンポのソウルミュージッ
クであることは間違いありません。前半はこうしたアップテンポの曲を何曲か聞
いていただきます。」

・MFSB

「Sigma Soundのスタジオミュージシャンは沢山居ますが、Leon Huffがリーダー
格でやっていますけど、この人たちを総称してMFSB(Mothers, Fathers, Sisters
and Brothers)。こういうグループ名で作品をいくつか残していますが、一番有
名なのが「TSOP(The Sound Of Philadelphia)」、日本では「ソウルトレインの
テーマ」。♪Soul Train, Soul Train〜。あれでございますね。歌手だけじゃな
くてリズムセクションだけでも成立してしまうという、それぐらいその年は人気
がありました。基本的に本日お聞きをいただく全てのナンバーはMFSBによる演奏
だと思っていただいて間違いありません。」

・スタッフの充実

「Philadelphia Soundが一世を風靡した最大の理由はスタッフが充実していた。
歌手とかボーカルグループはもちろんのこと、作曲家、作詞家、ミュージシャン
が沢山いました。そしてスタジオが素晴らしい。Joe Tarsiaという人がチーフエ
ンジニアが居たのですがこの人が素晴らしかった。Philadelphiaはオーディオの
勝利と言って過言ではないのでオーディオに優れておりました。アレンジャーも
沢山居りまして、Thom BellはStylisticsでお馴染の素晴らしいオーケストレー
ションを書ける人ですが、それに匹敵するBobby Martin、そして先ほどのNorman
Harrisも素晴らしいオーケストレーションを書けますし、Lenny Pakula、Jack
Faith、枚挙に暇がないぐらい人材が豊富だったので、後から後からヒット曲が出
ました。」

「(「I Wanna Know Your Name」の)イントロのストリングスの響き、そしてリズ
ム隊が入ってくる時のエコーの響き、これがSigma Soundのオーディオ的な素晴ら
しさを十二分に物語っております。」

・中置き

「フィリーソウル特集としないのは相手がでか過ぎて一週間じゃなんの特集もで
きないから。本当に好きな奴をポッポッとかけて、あっという間に終わってしま
う感じなので「棚からひとつかみ」。」

・Thom Bellのアレンジ

「Thom Bellは作曲、プロデュースはもちろんですが、アレンジとしてのオーケス
トレーションの素晴らしさは本当に大したもんだと思います。「黒人のBacharach
」なんて言われてますが、(Burt)BacharachよりもThom Bellの方が圧倒的に編曲
家として技術が上だと思います。」

「(「No One Does It Better」は)一瞬Norman Whitfieldみたいに聞こえますが
、ブリッジになるといかにもThom Bellというか。MarimbaとHarpとFluteと素晴
らしいオーケストレーションでございます。」

・70年代後期のフィリーソウル

「実を言いますと私個人では、Philadelphia Internationalの全盛期、70年代頭
のO'jaysとかHarold Melvinとか、その時よりも70年代後半にリズムセクション
が若干変わって、僕が大好きなCurtis MayfieldのバックをやっていたQuinton
JosephというドラマーがChicagoからPhiladelphiaへ移ります。それから先の方
がなんとなくそれまでの甘い感じが無くなって、ちょっと乾いた感じに
Philadelphiaの音作りが変わっていきます。その先の方が好きな作品が多いので
、この次にやるときはその辺の奴を重点的にやってみたいと思います。」

・今後の黒い棚つか

「この調子で行きますと次はMalacoなんていいですね。Jackson, Mississippi。
Dorothy Moore。Controllers。それからTK。Latimoreとかいいですね。Mustle
Shoalsはちょっと焦点が絞りきれないので。その辺の南部のHiとかStax、そうい
うのもやろうと思えば。ま、機会があればと気長に行きたいと思います。」

・来週は500回記念のプレゼント当選者発表があるそうです。

今後の予定

・6/23,30は「リクエスト特集」。
・7月頭には「わがままリクエスト」。
・7月になったらいよいよBruce Johnstonの特集を。



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