達郎書き起こしプロジェクト by ロック軍曹とサーカスタウン

2001/09/23 Sunday Song Book「棚からひとつかみ」



山下達郎/Endless Game 1991『Artisan』*1
Ben Sidran/Chances Are 1972『I Lead A Life』*2,3
Bobby Bloom/Heavy Makes You Happy 1970『Montego Bay』*2,4
Jerry Butler/Find Another Girl 1961 *5
The Moody Blues/Nights In White Satin 1967 Single *6
Sam Cooke/That's Where It's At 1964 *7
Chet Baker/I Get Along Without You Very Well 1954 *8
山下達郎/Your Eyes 1982『For You』*9

*1 1990年のシングル。
*2 Universal「名盤の殿堂」シリーズ。監修は長門芳郎氏。
*3 Pianist, Singer, Songwrite. Tommy LiPumaのBlue Thumbレーベルでの
2枚目。世界初CD化。Wisconsinでの合宿状態での録音とのこと。
Phil Upchurch(b), Clyde Stubblefield(ds, JB's), Nick DeCaro
(strings arr.), Gavin Christopher(back chorus)。
*4 世界初CD化。L&Rレーベル(MGM系インディ)。「Montego Bay」を含むアルバ
ム。曲はStaple Singersのヒット曲のオリジナル。達郎氏はオリジナルを参
考にしてカバーし、『On The Street Corner 2』のボーナストラックとし
て収録。
*5 Curtis Mayfieldと共に1960年代のChicagoを代表するシンガー。
元Impressions。ソロになってからは「He Will Break Your Heart」が
大ヒットし、それに続く2ndヒットがこれ。
*6 邦題「サテンの夜」。Singleバージョン。アルバムは『Days Of Future
Passed』。
*7 亡くなる直前のシングル。未CD化なのでアナログより。
*8 1950年代のWest Coast Jazzの名trumpeter。男声Jazz Vocalの名盤。
Hoagy Carmichael作。
*9 TBCの秋編のCMで木村拓哉が歌っているとのこと。

一節
He Will Break Your Heart (Jerry Butler)

内容

・先週の反響

「先週は柄にも無く、アメリカの同時多発テロの影響でそんなようなメンショ
ンを番組で申し上げましたところ、いろいろな方がいろいろなご意見、やっぱ
り日本も沢山意見が分かれますが。音楽番組なんだからそういうのは関わるな
とか(笑)。それで凄く心が落ち着いたとか。右から左まで様々な感想を頂き
ました。私は若干アナーキーな政治観ではありますけれども、ノンポリティカ
ルではありませんので。この国は言論の自由があるので一応言いたいことだけ
は言わせていただきますが(笑)。今週は普段の音楽プログラムをやりたいと
思っておりますが、ただ一つ祈っていることは、ご多分にもれず録音でござい
ますので、この番組のオンエアの前後にアメリカが開戦なんてことになります
と、本当に番組が間抜けになってしまいます。先週も申し上げましたように音
楽や文化なんてものは平和じゃないと全然成立しないメディアです。それだけ
を祈っているばかりであります。」

・近況、ニュース

「目下曲書きに勤しんでおります。」

「竹内まりや、またシングルのリカットが決まりました。11/7に「ノスタル
ジア」c/w「すてきなホリディ」。テレビ朝日系ドラマ「はみだし刑事情熱系
」が10月からスタートしますが、その主題歌に使っていただけることになりま
した。それで急遽シングルがカットされることが決まりました。詳細は来週お
知らせしますが、本当にありがたいことで、感謝感激雨あられです。」


・「君の声に恋してる」プロモシングルプレゼント当選者発表。10名。

・QA

Q:「毎日がスペシャル」のギターインストバージョンのギターは達郎さん?そ
れとも佐橋さん?
「私です。」

Q:「めざましテレビ」の天気予報のバックに流れるインストは、「毎日がスペ
シャル」のシングルのカップリングに含まれているのと同じですか?
「全く同じです。」

Q:プロモCDとサンプルCDの違いは?新曲をプロモーションする為だけなら、
経費のことを考えてわざわざプロモCDを作らないでサンプルCDで用は足りる
のでは?ましてプロモCDを作ってそこでしか聞けないレア音源を収録すると、
マニア心理を煽って、中古店でウン万円というプレミアが付くのでどうかと思
う。
「ごもっともです。別に私は中古屋で値を吊り上げようとしてプロモCDを作っ
ている訳じゃありません。そんな狡すっからい了見じゃありません。元々プロ
モCDを作ろうと思ったきっかけは、90年代初め、当時のCDシングルってちっ
ちゃかったじゃないですか。ちっちゃい7cmサイズのCDだとレギュラーのアル
バムサイズのCDより音がちょっと悪いんですよ。なのでラジオプレイでもうち
ょっといい音で出したいので、プロモ用に普通の大きいサイズのCDでシングル
の曲をカッティングして、ラジオプレイ用にプロモ盤という形で出したのが最
初。今はまたちょっと情勢が変わってきて、皆様もご存知でしょうが、今はCD
のレベルがどんどん上がってきてます。CDにいかに大きな音で焼きこむかとい
う、レベル競争というのを通り越して、今はレベル戦争と言われています。大
きい音で入れた方がラジオプレイやビデオクリップで他の音楽より根性があっ
て聞こえるんです。音をあんまり入れすぎると歪むんですけど、でも大きな音
で聞かせたいという競争でありまして。私はそれが凄く嫌で、リーズナブルな
レベルで入れたいんですけど、そうするとラジオプレイなどで他の音源に負け
てしまうという。それでずっと長い事悩んでいたんですけど、それがプロモCD
を作ることによって、売っているCDはそんなにレベルを入れなくても、ラジオ
オンエア用のプロモCDだけ別にマスタリングすることによってそういう問題を
解決できる。だから最近の僕のプロモCDはマスタリングを変えているんです。
そういう背景があります。モノラルバージョンを入れるのはあくまでAM用です
。AMはモノラルバージョンの方が絶対いい音がしますので。そういう必然性が
ちゃんとあってやっております。決してそんな卑近な、これで中古盤屋で吊り
上げようとかマニアの心理を煽ろうとか、そういうことは欠片もありませんか
ら。よしなにひとつ。」

・Chet Baker Sings

「大変実力あるトランペッターなんですが、歌がこういう風に中性的で柔らか
い声なので、これにプロデューサーが目をつけて、歌のアルバムを出そうとい
って、作ったのがこのアルバム。これが大ヒットしました。このライナーに面
白いことが書いてあります。「一部の評論家がこの大衆化路線を批判したが、
Jazz Vocalで最高に売れたアルバムとして40年も経った現在も売れ続けて
いる。一部の評論家のエゴと売上が一致しないのは今も昔も同じだ。」私の生
まれた頃のアルバムですが、何の古さも無いですね。歌の表現は何も変わって
いない。」

今後の予定

・9/30も「棚からひとつかみ」。
・余裕があればDavid Gates特集を予定。
・10月頃にライブ特集をやる予定。
・10月末〜11月にCarole Kingの特集を4週間予定。


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